糖質制限ダイエットとは
糖質制限ダイエットは、糖質の摂取量を極端に制限することで血液中のケトン体を増やし、体内にケトーシスと呼ばれる状態を作り出します。ケトーシス状態では脂肪が分解され、ケトン体が主なエネルギー源として利用されるため、ダイエット効果が期待されます。
体内の血糖値が低下し、ケトン体が生成
具体的には、糖質摂取量を制限(1日50グラム以下)することによって体内の血糖値が低下し、インスリンの分泌を抑制。これによって肝臓で脂肪が分解され、ケトン体が生成されます。ケトン体は脳や体のエネルギー源として利用されるため、糖質が不足している場合でも、活動に十分なエネルギー供給が行われます。
注目された理由
糖質制限によって体内の血糖値の上昇を抑え、脂肪燃焼を促進する効果が期待でき、また炭水化物に代わり、たんぱく質や脂質を摂ることで、満腹感を持続させることもできます。これらの効果により、糖質制限ダイエットは劇的に痩せるダイエット法として多くの注目を集めました。
ケトジェニックダイエット
さらに、その効果を高めるため、ケトジェニックダイエットというケトン体にエネルギー源の多くを集中させる方法も人気となりました。炭水化物の摂取量を極端に制限(1日20グラム以下)し、代わりに脂質摂取量を多くすることで体内の糖質代謝を急速に変化させます。
必ず専門家の指導を受けること
このようなダイエットブームによって、ケトン体に関する情報も次第に広まってきました。ただし、どちらのダイエット方法も正しい知識を持ち、計画的に取り組むことが重要です。とくにケトジェニックダイエットは一部の人には適さない場合もありますので、専門家の指導を受けることをおすすめします。
■ 糖質制限時のD-BHBの体内産生促進
ヒト体内で生じるケトン体には、D-β-ヒドロキシ酪酸(D-BHB)、アセト酢酸、アセトンがあります。体内のD-BHBとアセト酢酸の割合は、6:4~8:2で、相互に変換されます。そこで、体内の多くを占めるD-BHBをケトン体と称しています。また、アセトンは、呼気などとして体外へ排出され、ほとんど代謝には関与しません。糖質制限時において、体内脂肪の分解が促進され、肝臓でD-BHBに変換され、その後、血中に移行し、全身に運ばれてエネルギーに変換されます。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-36 天然由来ケトン体の秘密』より