慶応義塾大学政策・メディア研究科兼環境情報学部兼医学部教授
渡辺 光博 博士(生体学科)
エネルギー代謝のほとんどを担うミトコンドリア
すべての動物は食べたものを消化し、エネルギーを産生し生存を維持しています。ミトコンドリアはそのエネルギー代謝のほとんどを担っています。エネルギー産生で、ダイエットに特に重要なのが脂質の分解です。
中高年になると体重が増加しがちですが、原因の一つがミトコンドリアの機能低下と考えられます。ミトコンドリアの活性化によってエネルギー消費が高まり、基礎代謝が上がり、脂肪がつきにくくなります。私はこれを「ミトコンドリアダイエット」と呼んでいます。
オレアビータとTGR5とミトコンドリアの関係
オレアビータに含まれるオレアノール酸は、TGR5という細胞表面に存在する受容体に強く作用します。そして、TGR5活性化によって細胞内でミトコンドリア活性が高まることを発見しました。つまりオレアビータは、TGR5のスイッチをONにしてミトコンドリアを活性化し、余分なエネルギーを燃やして脂質が付きにくい身体にすることができるのです。
現在、TGR5の活性化がダイエットのみならず、糖尿病、動脈硬化、癌、サルコペニアなど老化に伴う様々な疾患を改善する、という研究論文が報告されており、多くの研究者が老化のメカニズム解明に取り組んでいます。
オレアビータでミトコンドリアの機能を高める
いくつかの仮説のうち最も重要なのが、ミトコンドリアの機能低下が老化を進行させる、という「ミトコンドリア仮説」です。ミトコンドリアの機能を高めることが健康長寿に重要と考えられています。
オレアビータによってミトコンドリアの機能を高めれば、老化に伴う様々な疾患を予防・改善することは驚くことではありません。今後も多くの研究者によって様々な疾患に対する効果が明らかになっていくと思われます。
渡辺 光博(わたなべ みつひろ)
慶応義塾大学政策・メディア研究科兼環境情報学部兼医学部教授
ヘルスサイエンス・ラボ共同代表。東北大学遺伝子実験施設を経て、フランス国立ルイ・パスツール大学分子生物学科卒業。専門はヘルスサイエンス、アンチエイジング、代謝疾患、栄養医学、予防医学。肥満とメタボリックシンドロームの診断・治療法を研究。胆汁酸を介した新しい糖尿病・肥満・動脈硬化の治療法の開発を目指している。
栄養書庫発行 : 『栄養書庫フォーカス-4 奇跡の成分オレアビータ®』より