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未来を大きく変えるヒト幹細胞培養液の研究と可能性

Dong Hee Lee  生体工学博士

Dong Hee Lee 生体工学博士

ヒト幹細胞培養液との出会い

私が幹細胞の基礎知識を身につけたのは、高麗大学で生物学を学んでいた頃のことです。その後ソウル大学の天然物資源科学研究所で10年ほど研究を重ね、さらに博士課程は延世大学で生体組織工学を専攻しました。幹細胞の商業化に必要な高度な培養技術は、この大学院時代に習得しました。

卒業後は大学で教鞭をとっていましたが、10年ほど前に、研究結果を実用化につなげるべく美容ビジネスの世界に転身しました。

もし大学の研究者として研究を続けていたなら、糖尿病で壊死した皮膚を治す軟膏のような細胞治療剤の基礎研究に取り組んでいたと思います。

化粧品業界のパラダイムシフト

ちょうどその頃、化粧品業界ではパラダイムシフト(これまでの認識や価値観変化すること)が起きていました。
それまでの化粧品業界は、イメージ重視のマーケティング主体で成り立っていましたが、コスメシューティカル=効くコスメが登場し、イメージだけでなく、エビデンス(医学的根拠)が重要視されるように変わったのです。

特にヒト幹細胞培養液は、幹細胞から連想される治癒効果と、マーケティング的なイメージを満足させる要素をあわせ持つ素材として注目されました。
私個人としても、これまでの研究成果を製品化したコスメを一般の方々に使ってもらえる絶好のタイミングでした。

ヒト幹細胞培養液の研究

そしていま、ヒト幹細胞培養液の有用性については、各国でどんどん論文発表されています。なかでも特に注目されているのがエクソソームです。
通常、細胞が老化するとSA-β-ガラクトシダーゼという酵素が出てくるのですが、エクソソームを与えるとこの酵素がなくなってしまう。つまり細胞の老化が止まってしまったのです。

エクソソームを抽出してその袋状の中に薬を入れると、いろいろな臓器にデリバリーされることがわかっています。このデリバリー機能を活かせば、治療部位にピンポイントで薬を届けられる可能性も高く、実際に抗がん剤に応用する研究も進んでいます。

ヒト幹細胞培養液に含まれるエクソソームにおいても、慢性的な傷や歯周病などに対する治療剤の研究開発が進んでいます。

ヒト幹細胞培養液は、どこに、どのようにデリバリーさせるかが課題で、飲むのがいいのか、塗るのがいいのか、注射がいいのかを適宜使い分ける必要があります。美容に注射は使用できませんが、もし医薬品としての認可が下りれば、さらに驚くような美肌効果や若返り効果が出るでしょう。

すでにいま、ヒト幹細胞培養液には、美白やしわ改善、抗老化などさまざまな有用性があることがわかっており、これからの可能性は計り知れません。

研究イメージ画像

Dong Hee Lee

生体工学博士

高麗大学(生物学)、ソウル大学修士課程(環境保健学)を経て2001年延世大学(生体工学)博士課程卒業後ソウル大学等で教鞭をとり、2018年よりRemyBio研究所を設立、代表理事就任

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-25 ヒト幹細胞培養液の美容力』より

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