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生活の質(QOL)を改善する森林由来の天然成分フィトンチッド

近畿大学 名誉教授 野村正人 工学博士

野村正人 工学博士

微生物の活動を抑制する森林浴成分=フィトンチッド

フィトンチッドとは、1930年頃にロシアのB.P.トーキン教授が発見した天然の化学成分です。植物から放出された揮発性の物質が原生動物や微生物を死滅させるという不思議な現象を発見し、フィトン(植物)とチッド(殺す)を合成して命名されました。草や樹木などの植物全般が発散する揮発性の化学物質で、微生物の活動を抑制する森林浴成分=フィトンチッドなのです。植物は動物と違って、根付いた場所から動くことはできません。だからこそ備わった、自身を防衛する抗菌機能の一種といえるでしょう。

フィトンチッドの効能について分析の問い合わせをいただいたことが、本格的に研究に取り組むきっかけとなりました。実は学生時代から植物のエキスに着目していまして、傷が早く治癒したり、化膿を抑えたり、抗菌、消臭といった効果を体験し、植物の持つ潜在的な力は実感していたのです。すでに消臭や抗菌といった効能別の実験データはとっていましたが、それでも、あらためて効能の実験を進めてデータ化できるまでに4年かかりました。

森林浴が健康に良いとされる理由

フィトンチッドは、リラクゼーション、消臭、抗菌、抗酸化……さまざまな恩恵を我々にもたらしてくれます。森林にはフィトンチッドがあふれています。森林浴が健康に良いといわれる最大の理由はそこなのです。森の中に身を置けば、フィトンチッドを自然に体内に取り入れていることになります。
さらに、植物はマイナスイオンを発生しています。マイナスイオンは副交感神経の働きを助け、心拍の安定や血圧を下げる効果、リラックス効果があることが解明されています。都会ではチリや埃にプラスイオンが残留し、テレビやパソコンといった家電製品から多くのプラスイオンが発生するために、イオンバランスが崩れています。

フィトンチッドとリラックス

森林浴をすると、植物の気化した成分が鼻や口、肌から我々の身体のなかに入ってきます。この時、気持ちがリラックスするのは、フィトンチッドの効果に加えて、このマイナスイオンも大きく影響していると考えられます。
また、多くの植物が放出する香りは、私たちの気分をリラックスさせてくれます。この香りを嗅いだ時に脳から出るα波が増幅され、心拍数の減少、ストレスの低減作用など、心理的・生理的にいい効果もあります。
活性酸素や心的ストレスは、様々な病気や老化原因とも言われています。フィトンチッドならではの効果を活用することで、ストレスにさらされることの多い現代社会において大きな効果を見込める可能性を感じています。人体の活性化に寄与し、健康増進効果も見込めるフィトンチッドは、自然が育んだ癒しの、そして万能のアンチエイジング物質です。

フィトンチッドの森

野村 正人 (のむら まさと)

工学博士・近畿大学名誉教授。中国林業科学院林産化学工業研究所名誉教授

近畿大学理工学部卒業後、1989年よりカリフォルニア大学バークレー校留学、1997年に近畿大学工学部教授、2014年に学部長に就任、多数の論文を発表する。天然物由来成分(植物・果物など)を活用した生活空間環境改善と健康革命に寄与する化学成分を利用した研究、および美白効果をもたらす化粧品配合剤についての研究が中心。

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