麻布医院院長 ハーバード大学医学部元准教授
髙橋 弘 医学博士

デザイナーフーズが示した「植物の可能性」
デザイナーフーズ・プログラムが示したことは、私にとって非常に大きな衝撃でした。がんに対して、食事は無力ではない。とくに野菜や植物性食品に含まれる成分には、私たちの健康に関わるさまざまな働きがある可能性がある。それが、経験則ではなく、さまざまなデータと研究の中で語られ始めたのです。
からだを守る仕組みはひとつではない
もちろん、野菜スープを飲めばがんが治る、などという話ではありません。そんな単純なことではありません。医療には医療の役割があります。しかし、病気になる前の段階で、からだの中では小さな変化が起きています。酸化ストレス、炎症、免疫、解毒、代謝などさまざまな反応や仕組みが関わっています。からだを守る仕組みは、ひとつではありません。いくつもの働きが重なり合って、私たちの命を支えています。

野菜はひとつの成分では語れない
野菜には、その複数のルートに関わる成分があります。ビタミン、ミネラルだけではありません。ポリフェノール、カロテノイド、含硫化合物、グルコシノレート、食物繊維、香気成分。まだ十分に解明されていない成分も、たくさんあります。だから私は、ひとつの成分だけを取り出して、これがよい、あれがよい、と考えることに違和感がありました。
「野菜の力」をどう引き出すか
植物の力は、単独ではありません。植物には実に多くの成分が含まれ、それらがオーケストラのように働く。私はそう考えるようになりました。この考え方が、私の野菜スープの原点です。野菜を、単なる副菜で終わらせてはいけない。野菜は、家族を守る食卓の主役になり得る。そして、その力をどう引き出すかが、次の課題でした。

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-38 野菜スープの超健康力』より















