植物が作り出す栄養素
草や木を問わず植物は、空気中の二酸化炭素を吸収し、地面から水、そして降り注ぐ太陽光線をエネルギー源に光合成をして、生きていくための必要な栄養素を作り出しています。
こんなにもシンプルな原料(素材)をもとに、一次代謝産物として植物自身の栄養源であるデンプンを作ります。
フィトンチッドには抗菌成分が含まれている
同時に酸素をはじめとする、さまざまな化合物も作り出します。複雑な化合物を生成する植物のメカニズムには驚くばかりです。二次代謝産物として、ブドウ糖を元に複雑な過程を経て生成されるのがフィトンチッドです。フィトンチッドには、生育に害を及ぼすいろいろな菌から、自ら(植物)を守るための抗菌成分が含まれています。
抗菌力を測ると
フィトンチッドの抗菌力を測るため、食中毒や腸チフス疾患を引き起こすサルモネラ菌、院内感染症の主要な原因菌にもなり、皮膚や臓器を化膿させるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌、多臓器不全の原因にもなる病原性大腸菌O-157を用いて試験したところ、フィトンチッド噴霧下では、著しい抗菌活性効果があることが明らかになりました。
安全性が高い抗菌成分
フィトンチッドが備える抗菌パワーは、人体に対して深刻な影響を及ぼす可能性のある病原菌に対して強く作用します。反面、非病原菌に対しては緩やかであり、樹木の生育に必要なものは殺さない性質があります。フィトンチッドは、副作用の心配も少なく、安全性が高い抗菌成分といえるでしょう。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-18 フィトンチッドの秘密 Ver.2』より