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栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

共生細菌とのクロストークから考えるスキンケア

新潟薬科大学 健康・自立総合研究機構 特別招聘教授
自然免疫制御技術研究組合 研究本部長 自然免疫応用技研株式会社 副社長

稲川裕之 薬学博士

稲川裕之博士

美肌とは健康で美しい肌

美肌とは、健康で美しい肌のことです。これは、肌が紫外線や擦り傷、血行不良、老化現象などによりトラブルを起こしたとき、本来備わっている力(自然治癒力)によって、健康で美しい状態に戻れることを意味します。ここでLPS(Lipopolysaccharide/リポポリサッカライド)は、非常に重要な働きをしていることがわかってきました。
肌とLPSは、いったいどのように関わっているのでしょうか。まず挙げられるのは肌の本来の力、自然免疫力です。

自然免疫とは

自然免疫とは、健康な身体を維持するために異物を見つけて排除し、組織を治してくれる体の仕組みです。私たちは、この自然免疫を生まれながらに備え、無意識に働かせています。たとえば細菌やウイルスが肌に侵入したり、紫外線や擦り傷などの原因で炎症が起きると、肌の主要な自然免疫細胞である食細胞がそれらを見つけて食べ、排除し、組織を修復してくれます。
また、健康で若いときには活発な食細胞も年を取ると働きが低下してしまいますが、食細胞を活発にすることができれば、その働きは維持できます。
このようなメカニズムのおかげで、肌は本来の力を発揮し、健康で美しい状態になれるのです。

共生細菌は健康的に生きていく上で大切な存在

次に、美肌のメカニズムを活発にさせるためには、何が必要でしょうか。
その一つは、共生細菌です。共生細菌とは文字どおり、私たちと共に生きている細菌です。その数は約100兆個にもなり、肌には約1兆個もいます。
細菌と聞くと悪いイメージがあるかもしれませんが、共生細菌は人間が健康的に生きていく上で、なくてはならない存在です。

共生細菌に含まれるLPSとのクロストーク(情報交換)

さらに興味深いことに、これらの細菌と私たちの体は、共に生きていくうえでお互いに情報交換(クロストーク)していることがわかってきました。
共生細菌が体になんらかの情報を与え、体はその情報をキャッチして働いているのです。
私は、このクロストークこそが、美肌を保つための重要なポイントであると考えています。つまり、共生細菌に含まれている LPSが肌になんらかの情報を与え、情報をキャッチした肌が反応し、自然免疫の力を発揮していると考えられるのです。

ヒト細胞と共生細胞

LPSと美肌

LPSと美肌に関する研究は、私たちの研究グループの他にも、近年世界各国で関連する研究が行われるようになりました。研究が進むにつれ、LPSが肌のハリやツヤをアップさせたり、さまざまな炎症を抑えたり、育毛や目の角膜保護に働くことなどが明らかになっています。それらの研究に基づき、私たちはLPSの基礎化粧品や健康食品などを世界に先駆けて開発、販売に至り、メディアに取り上げられる機会も増えています。


稲川 裕之(いながわ ひろゆき)

新潟薬科大学.健康・自立総合研究機構.特別招聘教授
自然免疫制御技術研究組合.研究本部長 自然免疫応用技研株式会社.副社長

埼玉大学工学部卒業。水野傳一教授と出会い免疫研究の世界に。新技術開発事業団研究員、帝京大学助手、水産大学校准教授などを経て、2010年より自然免疫制御技術研究組合研究本部長、2016年より新潟薬科大学特別招聘教授(兼務)。比較免疫学的研究視点から食細胞の生物活性に基づいた多細胞動物の健康維持の仕組みとその応用として難治性疾患予防・治療への利用について研究を続けている。また、食品の機能性成分としてのグラム陰性菌のLPSの有用性を約30年前に見出し、以来LPSの有用性に着目した研究も展開している。
環瀬戸内自然免疫ネットワーク理事、自然免疫応用技研(株)代表取締役副社長兼務。

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-13 パントエア菌LPSの美肌力』より

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