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栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

「何を食べたらいいのか」から始まった髙橋式野菜スープ<4>

麻布医院院長 ハーバード大学医学部元准教授
髙橋 弘 医学博士

髙橋弘医学博士

研究室で学んだ「細胞を壊す」という発想

私がハーバード大学医学部にいたころ、研究の現場では、細胞の中の成分や反応を見るために、まず細胞を壊すことが当たり前でした。細胞の外から見ているだけでは、本当のことはわかりません。凍らせる。溶かす。すりつぶす。加熱する。細胞の内部で何が起きているのかを知るためには、細胞の構造を壊し、中の成分を取り出す必要がありました。この経験が、後に野菜スープへつながっていきます。

研究室

野菜の成分は細胞壁の内側にある

野菜も同じです。野菜にはすばらしい成分があります。けれども、その多くは硬い細胞壁の奥に閉じ込められています。人間は、植物の細胞壁をつくるセルロースを自分の消化酵素では分解できません。たとえば、とうもろこしを食べても、翌日そのままの形で出てくることがあります。トマトの赤い皮も、消化されずに残ることがあります。これは、植物の細胞壁が人間には分解されにくいことを、身近に感じる例です。

加熱して、野菜の成分を引き出す

だから私は、考えました。野菜を食べるだけでは足りない。野菜の細胞をどう壊し、どう引き出すか。最初に必要なのは、加熱です。加熱によって細胞壁を壊し、中の成分を引き出しやすくする。水に溶け出す成分は、スープごと受け取る。しかし、それだけではまだ足りません。野菜の残渣にも、成分はあります。それを捨ててはいけない。

野菜の細胞壁

冷凍・解凍からフリーズドライへ

冷凍し、解凍する。そのとき、細胞の中の水分が氷の結晶となり、細胞構造をさらに壊していきます。そこからもう一度、成分を取り出す。そして、凍結した状態から水分を取り除くフリーズドライへ。こうした工程を重ねることで、家庭では再現しにくい抽出設計が生まれました。

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-38 野菜スープの超健康力』より

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