ダイゼインとエクオール
いま話題の「エクオール」はイソフラボンと同じく女性ホルモンに似た働きをする成分です。実は、このエクオールは、ダイゼインが腸内細菌によって代謝された結果できるものなのです。つまり、ダイゼインが豊富な麹菌発酵大豆イソフラボン(アグリコン型)を摂取すると、腸内で効率よく吸収されると同時に、エクオールも産生できるということになり、女性にとってはまさに一石二鳥というわけです。
作れる人は日本人の約50%
ただし、エクオールを作れるか否かには個人差があり、作れる人は日本人の約50%、欧米人はさらに少なく25~30%。日本人でも40代以下の世代では、大豆製品の摂取量と腸内環境の影響を受けて欧米人並みの20~30%しか作ることができないといわれています。
継続的にアグリコン型イソフラボンを
イソフラボンの効果を得るためにも、エクオールを作るためにも、継続的にアグリコン型イソフラボンを摂取することがポイントなのです。
アグリコン型イソフラボンには、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインの3種類がある。
いま注目されているエクオールは、腸内細菌によってダイゼインから代謝される。
長寿遺伝子のスイッチを入れる方法はふたつ
健康長寿の秘訣はさまざまありますが、そもそも私たちの体には、「長寿遺伝子」というものが備わっているといいます。これは、「サーチュイン遺伝子」とも呼ばれる遺伝子で、老化の原因となる活性酸素を除去したり、遺伝子の損傷を防いだりする働きを持ち、長寿の可能性を高めています。
ただしこの遺伝子はいつも働いているわけではなく、普段は休眠状態。
これにスイッチを入れる方法はふたつあります。
スイッチを入れる方法1 カロリー制限
ひとつは、カロリー制限。食べる量を減らしたり、ダラダラ食べずに空腹の状態をつくったりすることです。これはサーチュイン遺伝子がもともと飢餓に耐えるためにあることと関係があるようです。
スイッチを入れる方法2 ダイゼイン
もうひとつ、サーチュイン遺伝子のスイッチを入れるきっかけとなるのが、ダイゼインです※。これはダイゼインのみに認められる特長的な働きで、ダイゼインが腸内細菌によって代謝されてエクオールになってしまうと、その働きはなくなってしまうといいます。
ダイゼイン豊富な麹菌発酵大豆イソフラボン
日本では古来、味噌や醤油といったダイゼイン豊富な麹菌発酵大豆イソフラボンを摂取する食習慣があります。長寿への一助となっていることが科学的に解明されてきたいま、ますます上手にダイゼインを取り入れ、よい食習慣を続けていきたいものです。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-20 麴菌発酵大豆イソフラボンの秘密』より