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負荷トレーニングでミトコンドリアを増やす

負荷トレーニング

骨格筋のしくみ

私たちの筋肉は、持久的な動きに使う遅筋(赤筋)と瞬発的な動きに使う速筋(白筋)とに分けられます。赤く見える遅筋は有酸素運動でミトコンドリアが生み出すエネルギーを使います。白く見える速筋は解糖系のエネルギーを使う無酸素運動を行います。この二つがモザイク状に組み合わさり、骨格筋が形成されています(図1)。

■遅筋と速筋の働きの違い(図1)

遅筋は加齢によって減りにくく、使うほど酸素を供給する毛細血管が増えて、エネルギーの生産効率が上がります。速筋は加齢によって減っていき、使う事で筋肉が増えて、エネルギーの生産量が上がります。

腕の断面図(骨格筋)

遅筋と速筋のミトコンドリアの量

筋肉におけるミトコンドリアの量は、遅筋では全筋肉重量の10%、速筋では5%と、かなりの差があります。遅筋はマラソンなどの持久運動に適し、酸素を使うエネルギー燃焼を長時間継続できます。速筋は短距離の全力疾走などの瞬発運動に適しており、酸素を使わず短時間に大量のエネルギーを生み出しますが、持続したパフォーマンスができないという違いがあります。

ミトコンドリアの劣化がサルコペニアにつながる可能性も

超高齢化社会で問題になっているサルコペニア(加齢性筋肉減弱症)は、筋肉量の低下により歩くのが不自由になり、転倒などをきっかけに寝たきりや介護が必要な状態になる厄介な病気です。さらに筋肉の減少は骨格筋にとどまらず、全身の臓器にも及ぶため、活動性が低下して老化が進行していきます。ミトコンドリアの機能不全が発症の要因の一つと考えられていますが、治療法は今のところ確立されていません。

骨格筋のミトコンドリアの融合を促進させるには

加齢とともに筋肉量が低下するのは主に速筋の減少が原因です。したがって、筋肉量を増やすためには速筋を鍛える負荷トレーニングが重要です。負荷トレーニングをすることで、速筋でミトコンドリアの数がやや増加し持久力が向上します。また、ミトコンドリアの融合が進み(図2)、より高いエネルギー産生能力を獲得します。

■ミトコンドリア融合によるパフォーマンスの向上(図2)

筋肉(骨格筋)は骨と骨を筋線維でつなぎ、伸び縮みすることで身体の各部位を動かします。激しい運動や筋トレをするとこの筋繊維が一時的に傷つき、たんぱく質などで補修されて回復する時に以前より強くなります。
この際に骨格筋のミトコンドリアの融合が促進され、ミトコンドリア自体も優位に変化することが分かっています。

ミトコンドリア融合と分裂の仕組み

栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-03 神様の贈り物 ミトコンドリア活性で老い知らず』より

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