
肝臓は500以上の機能を担っている
肝臓は人体最大の臓器で、判明しているだけでも500以上の機能を担っているとされています。特に重要なのは、体内に取り入れた物質をエネルギーに変換するために合成分解する代謝機能、老廃物の排出、解毒作用、体液を正常に保つ恒常性などです。
脂肪肝のリスク
現代人が過剰に摂取した栄養は脂肪に変換されて細胞内に蓄積され、肥満状態となります。さらに肝臓の細胞に脂肪が油の滴状に溜まって腫れあがった状態が脂肪肝です。
脂肪肝は日常的な飲酒によってなりやすく、さらに近年ではアルコールを飲まない人の脂肪肝=非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)が大きな問題となっています。NAFLDが進行すると炎症や組織の線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)となり肝硬変や肝がんの危険性が飛躍的に高まります。

テストステロン・レベルが低下すると飲酒の習慣に関わらず脂肪肝になりやすい
NAFLDは心血管障害とも関連しており、テストステロン・レベルが低下している男性がなりやすい可能性が報告されています。Aksam A. Yassinらが2020年に発表した研究ではドイツのLOH症候群の男性に対し実施した長期テストステロン補充療法によって脂肪肝指数が低下し肝機能が改善する結果を得たと報告されています(図1、図2)。本研究では、肥満状態にある腹囲とBMIも低下しており、LOH症候群の男性の心血管障害での死亡率の低下にも寄与している可能性が指摘されています。
■テストステロン補充療法によるテストステロン値と脂肪肝指数の変化(図1、図2)
性腺機能低下症の症状を伴う505人の男性(平均年齢61.4 ± 9.7歳)のうち、321人に6週間間隔のあと、最長12年間12週間ごとに1000㎎のウンデカン酸テストステロンを非経口投与したグループとコントロール対象群184人に分け、総テストステロン値と脂肪肝指数の変化を比較したところ、テストステロン補充療法を行ったグループで、テストステロン値が有意に上昇し、脂肪肝指数は減少した。


栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-4 テストステロンの健康力』より

