
サンガー法からシーケンサーへ
かつて腸の中は、ほとんど“真っ暗闇”でした。シャーレで育つ一部の菌だけを、サンガー法という古いDNA解析で一本ずつ読むしかなく、多数派の菌たちは「いるらしいけど正体不明」のまま。
流れを変えたのが、2000年代半ばに登場した次世代シーケンサーです。DNAを細かく砕き、ガラス板や半導体チップの上で何百万もの断片を一斉にコピー&撮影して配列を読み取るしくみにより、スピードとコストが桁違いに改善しました。

腸内環境は人それぞれ
腸の内容物からDNAをまとめて取り出し、この装置にかけるだけで、「どんな菌が、どれくらい、どんな組み合わせでいるのか」が一気に見えてきます。真っ暗な街を上空からライトで照らし、立体地図にするようなものです。 その結果、健康な人どうしでも腸内環境が大きく違うこと、同じ名前の菌でも人によって性格が違うこと、さらには太りやすさ・薬の効き方・食後血糖の上がり方まで、腸内細菌と結びつけて語れるようになりました。

腸の世界が読める
「DNAが読めるようになったから、腸の世界も読めるようになった」
ヒトマイクロバイオーム計画をはじめとする研究の爆発的進展は、まさにこの技術のおかげで実現したと言えます。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-15 そうだったのか!マイクロバイオーム』より





