マクロファージが酸化LDLを取り込む
生活習慣病の代表格、高脂血症は、血液の中にLDL(低比重リポたんぱく質:酸化LDLは動脈硬化などの原因物質)などが過剰に増加している状態です。マクロファージ※には、この酸化LDLを取り込む作用があることがわかっています。
HDLは減らさずLDL値のみを下げる働き
コレステロールは、ホルモンの材料になったり細胞膜を作るなどの重要な役割を担っており、けっして不要なものではありません。しかし、中性脂肪が増えると、LDLが増加し、一方でHDL(高比重リポたんぱく質)が減少し、不要なコレステロールを回収できなくなり、動脈硬化が進んでしまいます。LPSには、HDLは減らさず、LDL値のみを下げる働きがあるのです。
LPSを飲み水に入れての実験
家族性の高脂血症を発症しているウサギに、LPSを飲み水に混ぜて与えたところ、摂取させている期間は血中コレステロール値が下がっていくことが明らかになっています。このとき、LDLの値が下がる一方で、善玉コレステロールと呼ばれるHDLの値には変化が見られませんでした。
LPSのマクロファージ活性化で高脂血症予防
実験では、LPSを摂取させたウサギの血中コレステロール値が、3週間ほどで200mg/dlも下がるという結果が出ました。そして、摂取を止めても1か月程度は低い値を維持していたものの、その後は徐々に上昇することも明らかになりました。
LPSによるマクロファージ活性化は、高脂血症予防の可能性も示唆しています。
※マクロファージ : 病原体などを食べる細胞。自然免疫として異物を取り込み、分解・処理をする。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-3 パントエア菌LPSの秘密』より