下地清吉
有限会社沖縄長生薬草本社会長

畑と向き合い続けてたどり着いたもの
沖縄皇金ウコンは、私にとって、長い年月をかけて畑と向き合ってきた中から生まれた、ひとつの到達点のような存在です。
ウコンは、同じ種を植えれば同じように育つものではありません。土の状態、雨の降り方、日差しの強さ、潮風の当たり方によって、葉の広がりも、根の張り方も、色合いも変わります。沖縄の自然は豊かですが、同時に厳しさもあります。その中で植物がどう育つのかを、私は長い時間をかけて見続けてきました。
畑で感じた「普通のウコンとは違う」手応え
あるとき、掘り上げたウコンの根茎を割ると、これまでとは明らかに違う手応えがありました。内部には濃い色合いと独特の粘りがあり、土の中で時間をかけて力を蓄えてきたような存在感がありました。私はその瞬間、「これは普通のウコンではない」と感じました。数字や成分表を見る前に、畑で生きてきた身体の感覚が、そう教えてくれたのです。それが皇金ウコンとの長くて深い付き合いの始まりでした。

分析から見えてきた皇金ウコンの特徴
皇金ウコンの特徴は、一般的な秋ウコンと比べて、株が大きく育ちやすく、草丈や葉も力強く、根茎の色が濃いことにあります。根茎を割ると、内部に独特の粘りを帯びた層が見られることもあります。公表されている分析値では、一般的な秋ウコンと比べ、クルクミンやテトラヒドロクルクミンなどの含有量に違いがみられ、ORAC値※にも特徴があるとされています。
秋ウコンから生まれた「皇金ウコン」
皇金ウコンは、春ウコンではなく秋ウコンを基に育成された品種です。それでも本冊子で触れておきたいのは、このウコンが、沖縄で薬草と向き合ってきた歩みを象徴する存在だからです。

自然と向き合いながら育てた新品種
その後、皇金ウコンは2012年に新品種として登録され、沖縄の薬草事業を語るうえで欠かせない存在となっていきました。自然任せにするだけでは、よいものは安定して育ちません。かといって、人の都合だけで植物を動かすこともできません。土を見て、根を見て、年ごとの違いを受け止めながら、少しずつ選び、育てていく。その繰り返しの中から、皇金ウコンは形になっていきました。
皇金ウコンに重なる、沖縄と薬草の歩み
私にとって皇金ウコンは、単なる品種名ではありません。沖縄の自然、畑での試行錯誤、地域に根づく薬草文化、そして時間をかけて素材を見極めてきた経験。それらが重なって生まれた、ひとつの証です。
※ORAC値:試験管内で抗酸化能を評価する指標のひとつ。体内での抗酸化作用や健康効果を直接示すものではありません。
栄養書庫発行 : 『QUICK SERIES Vol.1 春ウコン 沖縄で育まれた元気の秘密を知る』より












