下地清吉
有限会社沖縄長生薬草本社会長

沖縄で受け継がれてきた薬草の知恵。ウコンと共に歩んできた有限会社沖縄長生薬草本社下地清吉会長が語る、自然と人間の本来の関係。
原点にあるのは「おばあの知恵」
私が薬草の道に入ったこと、そこに立派な理由などありません。原点にあるのは、ただ「おばあの知恵」です。戦後の沖縄、特に宮古島では、病院も薬も十分にありませんでした。怪我をすれば草を刻み、熱が出れば葉を煎じる。骨折しても病院に行くという発想はなく、鳥の皮を焼いて、刻んだ草と一緒に患部に当てる。それが当たり前の暮らしでした。
山野を駆け、草の匂いや手触りから学ぶ
子どもの頃、私は畑や山を歩きながら、祖母の教えを請い、草の匂いや手触りを自然に覚えていきました。どの草が使えて、どの草が危ないのか。本で学んだわけではありません。身体で覚えた感覚です。この感覚が、今でも私の判断の基準になっています。便利になった現
代でこそ、人は原点を忘れてはいけない。私はそう思っています。
暮らしの延長線上にある薬草
時代が進み、薬やサプリメントがあふれるようになっても、この原点は変わりません。私にとって薬草とは、特別なものではなく、暮らしの延長線上にある存在です。おばあから受け取った知恵は、今も私の判断の基準であり、すべての出発点であり続けています。
変わらない自然と向き合う時間
だから私は、今でも新しい草に出会うと、まず立ち止まります。見て、触れて、匂いを確かめる。便利な情報より先に、自然と向き合う時間を大切にする。それが、私にとって薬草に対する、変わらない基本姿勢なのです。

下地 清吉(しもじ せいきち)
有限会社沖縄長生薬草本社 会長/創業者
沖縄・宮古島を拠点に、60年以上にわたり薬草研究と栽培に携わる。春ウコンや沖縄在来薬草の特性に着目し、独自の選抜・栽培・品種改良を重ね、「沖縄皇金ウコン」を開発。地域産業の振興と雇用創出に尽力。文化賞、農林水産関連表彰など多数受賞。
栄養書庫発行 : 『QUICK SERIES Vol.1 春ウコン 沖縄で育まれた元気の秘密を知る』より










