日本における肥満者の割合
食生活の変化や運動不足、ストレスなどの影響で、中高年のみならず若年層でも肥満や脂質代謝異常症などを抱える人が増えているといわれます。2009年度の国民健康・栄養調査によれば、20歳以上の日本における肥満者の割合は、男性で30.5%、女性20.8%、全体で25. 7%となっており、成人のおよそ4人に1人が肥満ということになります。
なかには肥満が原因で内臓脂肪が増え、生活習慣病や血管の病気になりやすくなるメタボリックシンドロームを引き起こすケースも少なくありません。
アスタキサンチンの体重増加抑制作用
高脂肪食肥満モデルマウスによる抗肥満作用試験によると、標準食群、高脂肪食群、高脂肪食+アスタキサンチン投与群と群別して経過観察したところ、アスタキサンチン6mg/kg、30mg/kgを投与した群は高脂肪食群に比べて有意に体重増加の抑制が認められました。
さらに運動負荷を加えることによって、アスタキサンチンの体重増加抑制作用が増強されることもわかっています。
メタボ予防やダイエットにも
別の研究では、アスタキサンチンは脂質代謝(脂肪酸β酸化)の活性化とエネルギー産出の律速となるクエン酸サイクルの活性化がそのメカニズムの一部であることが明らかになっており、これらの結果からメタボリックシンドロームの予防やダイエットにもアスタキサンチンが有効であることがわかっています。
Each value represents mean ± SE.
#:P< 0.05,##:P<0.01,###:P<0.005vs.normal diet.
*:P< 0.05,**:P<0.01,***:P<0.005vs.high-fat diet.
高脂肪食肥満モデルマウスを標準食群、高脂肪食(食事中脂肪分 40%)群、高脂肪食+アスタキサンチン1.2mg/kg,6mg/kg,30mg/kgの5群に群別。60日間強制経口投与を行った。その結果、アスタキサンチン,6mg/kg,30mg/kg投与群は、高脂肪食群と比較し、有意に体重増加の抑制が認められた。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-23 アスタキサンチン美容・健康力』より