筋肉量の変化
一般的に、筋肉量は年齢とともに低下する傾向があります。たとえば25歳をピークとして65歳までの年間で25%減少し、それ以降の15年間でさらに25%減少するとされています。
筋力トレーニングで増強
しかし、これは「何もしなければ」の話であり、いくつになっても適切なトレーニングを行うことでこの減少を防ぎ、筋力や筋肉量を増強することができます。
なぜなら、年齢にかかわらず筋力トレーニングによって筋肉繊維自体の大きさや数、筋肉の質が改善されるからです。さらに、適切な栄養摂取や十分な休養を組み合わせることで、筋肉を増やすことができます。
ミトコンドリアの活性にはレジスタンス運動
ミトコンドリア活性化という観点からはレジスタンス運動(※1)が効果的です。
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返す運動のこと。自分の体重、ダンベル、またはゴムなどのチューブのような器具を使って負荷量を調整することができます。主な目的は筋肉量の増加であり、筋力向上や筋持久力向上を促します。
レジスタンス運動で心身ともに健やかに
高齢者からアスリートまで、さまざまな人が行うことができるトレーニングで、握力や下肢筋力の強化、骨密度の増加、フレイルやサルコペニア(※2)の予防にも役立つことが知られています。レジスタンス運動では、負荷をかけることで筋肉繊維が微小損傷を受け、修復するためにエネルギーが必要になります。このエネルギーを得るために、筋肉細胞はミトコンドリアを活性化しATP産生を促進するのです。
レジスタンス運動で軽い筋トレを!
レジスタンス運動の中からごく一部をご紹介します。
それぞれ 1セット10~15回を目安に、1~3セットを無理ない範囲で行ってください。慣れないうちは 1セットの回数をさらに減らしても可。すべての運動は体の反動を使わないようにするとより効果的です。
※1 レジスタンス運動:筋肉が疲労するため十分な回復期間を確保し、週あたり2~3回程度、無理のない範囲で継続的に行うこと
※2 サルコペニア:筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態のこと
栄養書庫発行 : 『ミトコンドリア活性で健康長寿』より