傷を修復する能力を検証
傷が治癒するためには損傷部の細胞が増殖することだけでなく、その細胞が傷による細胞欠損部に移動すること（遊走と言います）が重要です。
県立広島大学三羽教授の研究チームではヒト由来の歯肉細胞を培養し作成した細胞シートを使って、水素のコラーゲン構築能力を検証しました。
修復のメカニズム
細胞シートに傷をつけて、細胞の増殖と遊走による修復力を、通常水と水素水に18時間浸して比較しました。通常水の中では細胞は増殖・遊走ともに弱く、傷が塞がることはありませんでした。一方、水素水中では傷の境界にある細胞が増殖し、また傷の方向に遊走して傷を修復することが確認されました（図１）。この修復のメカニズムについては水素の抗酸化力が傷ついた細胞で大量に発生する活性酸素を抑制し、細胞の増殖・遊走をうながしたと考えられます。
活性酸素の発生が軽減
同研究チームの別の研究において、傷つけた細胞の境界での活性酸素の発生量を、水中と水素水中で比較しました。その結果、水中ではほとんど活性酸素の発生が抑制されなかったのに対して、水素水中では活性酸素の発生が大幅に軽減されていることが分かりました（図２）。
歯肉細胞の修復能力
さらに水素水の細胞への酸化ストレスの予防効果について検証しました。歯肉細胞にあらかじめ通常水を2時間投与したサンプルと、同様に水素水を投与したサンプルを、強力な活性酸素である過酸化水素に16時間浸し、その後の細胞の状態を比較しました。あらかじめ水素水を投与しておいた細胞は、酸化ストレスによる細胞死が通常水と比較して有意に少なく、水素による酸化予防、細胞死を防御する効果が確認されました（図３）。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-21 水素の美容・健康力』より
