エイジングケア・サプリメント情報発信メディア

栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

天然のアミノ酸5-ALAとは

体内の鉄

5-ALAは天然のアミノ酸

5-ALA(5-アミノレブリン酸:5-aminolevulinicacid)は太古の地球で誕生した天然のアミノ酸で、植物と動物のエネルギー産生に不可欠な存在です(図1)。5-ALAは動物のミトコンドリア内では細胞から取り込んだグリシンとTCA回路の過程で産生されるスクシニルCoAから合成されます。グリシンは体のコラーゲンの1/3を占める成分です。

■呼吸鎖複合体の中心的物質5-ALA(図1)

ミトコンドリアの呼吸鎖において必要不可欠なALA。5-ALA が8 個組み合わさったポルフィリンの中心に、鉄(Fe²⁺)が収ると「ヘム」に、マグネシウムが収まるとクロロフィル(葉緑素)になります。

5-ALAの役割

ヘムの元になりエネルギー産生に欠かせない

5-ALAの人体内での最も重要な役割は「ヘム」の元となることです。ヘムは5-ALAが8つの段階を経てポルフィリンを構成し、最終的に鉄(Fe²⁺)と結びつくことで成立します。「鉄(Fe)」は人体内で最も重要な微量金属で、ミトコンドリアのエネルギー産生は鉄を触媒とした酸化還元反応※に支えられています。ミトコンドリアは酸素を使って大量のエネルギーを生み出しますが、酸素と強く反応する性質を持つ鉄がエネルギー産生で重要な役割を果たしています。

体内の「鉄」を制御してエネルギー産生の中心を担う

鉄はFe³⁺の状態だと酸化還元反応が起きません。還元された(電子をひとつ取られた)Fe²⁺は細胞内で溶けて反応が起こりやすくなりますが、毒性が強く酸素と速やかに反応して活性酸素の発生源となるため、ミトコンドリアや細胞にダメージを与えます。これを制御しているのが5-ALAなのです。
5-ALAが8個組み合わさって構成されたポルフィリンの中心にFe²⁺を配置して「ヘム」を形成することでミトコンドリア内でのエネルギー産生が安全に行えるようになっているのです(図2)。

■危険な「鉄」を5-ALA が体内で制御(図2)

ミトコンドリア内では反応性が高く危険な鉄(Fe²⁺)を、5-ALA 8個が組み合わさったポルフィリン環の中心に収めて安定させ、体内の酸化還元反応を制御しています。

ヘム

鉄の制御不能がミトコンドリアの活性が低下する原因のひとつ

5-ALAも加齢によって減少していくことが分かっており(図3)、鉄の制御不能がミトコンドリアの活性が低下する原因のひとつと考えられています。

■加齢により減少する5-ALA(図3)

ミトコンドリアのエネルギー産生時に必要な鉄を制御している5-ALA です。この5-ALA も加齢と共に減少していくため、鉄の制御不能が起こり、ミトコンドリアの活性が低下する原因になります。

複合体Ⅳ活性グラフ
出典:2.Mingone et Al.,Am J Physiol Lung Cell Mol.Physiol.2006 Sep:291(3);L337-44. より改変

※酸化還元反応 物質が酸素と反応して酸化し、酸素を失って還元すること。電子の授受を行う化学反応のこと。

栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-3 神様の贈り物 ミトコンドリア活性で老い知らず』より

オンラインショップ
新規会員登録

栄養書庫オンラインショップを
ご利用されたい方は
新規会員登録をお願いします。

新規会員登録

栄養書庫への
お問い合わせ

栄養書庫へのご質問、ご相談、
メディア掲載希望の方は
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ
トップへ戻る