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栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

食べ物から身体を設計する3つの柱<3>

東京理科大学 教養教育研究院 大学院理学研究科 教授
武村 政春 医学博士

武村政春先生

タンパク質の合成と核酸の働きが再生力の鍵

年齢を重ねると、「なんとなく疲れやすい」「肌のハリが失われてきた」と感じる人が多くなります。こうした変化の背景には、体内の細胞が新しく生まれ変わる力、つまり「再生力」の低下があります。この再生力の鍵を握っているのが、タンパク質の合成と、その元となる核酸の働きです。

細胞はターンオーバーを繰り返している

細胞は日々、古くなったものを壊し、新しいものに入れ替える「ターンオーバー」を繰り返しています。肌、血液、腸の粘膜、筋肉などは特にそのサイクルが早く、大量のタンパク質と遺伝情報のやり取りが行われています。この過程がうまくいかなくなると細胞の数も質も落ち、老化の兆候が現れるのです。

ベッドから起きる

再生力に重要なのはタンパク質を正しく作る力

この再生力を保つために重要なのが、材料となる良質なタンパク質の継続的な摂取だけでなく、タンパク質を正しく作る力=細胞の働きそのものを支える栄養素の存在です。たとえば、ビタミンB 群や亜鉛はDNA の複製やタンパク質合成に関与し、老化を防ぐための“潤滑油”として働きます。また、活性酸素を抑える抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなど)も、細胞を傷つける要因から守るうえで欠かせません。

睡眠と運動も再生に欠かせない

さらに、睡眠と運動も細胞の再生には欠かせない習慣です。成長ホルモンの分泌は主に深い睡眠中に起こり、タンパク質合成を促します。また、筋肉を動かすことで血流が改善し、栄養が全身に届きやすくなるため、再生に必要な物質が効率よく運ばれます。

日々の積み重ねで差がつく

つまり、若々しさを保つためには「必要な栄養を摂る」だけでは不十分で、それを最大限に活かす体内環境と生活リズムも整える必要があります。老化とは単なる年齢の問題ではなく、再生のスピードと精度の問題。その差は、日々の積み重ねで大きく広がっていくのです。

力こぶ

加齢とともにカラダ=タンパク質は劣化し減少します!
放置すると全身の老化は加速します

30 代と60 代の筋タンパク質合成反応比較

30 代と60 代の筋タンパク質合成反応比較
出典:katsanos CS et al.(2005). Am j ClinNutr.

同量のタンパク質を摂っても、30 代に比べ60 代の方が筋タンパク質の合成反応が低下することが明らかになりました。つまり高齢になるほど、核酸を正常化し、多くのタンパク質を摂取しなければ筋肉のロス(消失) におちいります。

タンパク質の減少・劣化によるカラダへの影響

① 筋肉量の減少(サルコペニア)
筋肉量が低下すると、筋力の低下、歩行速度の遅れ、転倒リスクの増加につながります。
② 皮膚の老化(シワ・たるみ)
コラーゲンやエラスチンが減少・劣化し、肌のハリが失われ、シワやたるみが目立つようになります。
③ 骨のもろさ(骨粗しょう症)
加齢によりコラーゲンが減少、骨のしなやかさが失われ、折れやすくなります。 特に女性は閉経後にリスクが高まります。
④ 免疫力の低下
免疫細胞もタンパク質ですから、不足すると風邪や感染症にかかりやすくなります。
⑤ 内臓機能の低下
肝臓や腎臓などの臓器は、代謝を助ける酵素(タンパク質)を使って働いています。
⑥ 髪の毛や爪の弱化
髪が細くなったり、抜け毛が増えたり、爪が割れやすくなったりします。
⑦ 認知機能の低下
記憶力や集中力が低下し、アルツハイマー病などの神経変性疾患リスクが高まります。

栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-11 タンパク質とアミノ酸と核酸』より

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