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栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

体内カロテノイドレベルを視覚化

シャリテ医科大学病院皮膚科
ユルゲン・ラーデマン 教授

ユルゲンラーデマン博士

カロテノイドは老化に対する保護システム

私たちが以前開発した、机ほどの大きさのあるラマン分光計は、人の皮膚をスキャンするとで抗酸化物質を測定することができます。たとえばβ-カロテン、ルテイン、リコピン等のカロテノイドは抗酸化物質全体の指標であり、老化に対する保護システムとして機能します。ですからラマン分光計で測定すれば、あなたの現在の抗酸化能が測定できるのです。

カロテノイドレベルが測定できる

2014年、バイオズーム社が開発したMSRRSテクノロジーを搭載したデバイスを、バンクーバーで開催された世界皮膚科学会に持ち込みました。そこで、まず150名の被験者に協力いただき、カロテノイドレベルを調べました(下記グラフ参照)。それから会議開催期間中、被験者の方々にたくさんの野菜や果物、ジュースを摂ってもらい、4日後に改めて測定したところ、カロテノイドレベルが大幅に向上していました。

カロテノイドグラフ
2014年 YVCで開催された「世界皮膚科学会議」でのボランティアに対する調査

バンクーバーの世界皮膚科学会に参加した150名のカロテノイドレベルを測定。4日間の野菜や果物、ジュースなどによるカロテノイド摂取により、カロテノイドレベルは大きく改善しました。

このようなカロテノイドレベルの変化は、どのようなメカニズムで測定されているのでしょうか。簡単に説明しますと、デバイス内にある55個のLEDライトと12個の特殊なセンサーを用い、660個の光路を使用して、皮膚内のさまざまな物質に透過、反射してデバイス内のセンサーが皮膚の表面にある抗酸化物質を感知しているのです。吸収されずに戻ってきた光線を、カロテノイドのアルゴリズムに照らし合わせて分析しています。

皮膚のカロテノイドレベルを測定

カロテノイドチェッカーが開発された当初、私たちはまず、研究スタッフ20名を被験者にして、昼食の前後などに皮膚のカロテノイドレベルを測定してみました。すると、実に多くのことがわかってきました。

測定し(バイオフィードバック)、行動を変える(コーチング)

被験者のカロテノイドレベルは、時々刻々と実にダイナミックに変化していたのです。病気やストレス、飲酒や喫煙、睡眠不足などのライフスタイルの乱れにより、カロテノイドレベルはすぐさま低下し、また、しっかりと食事やサプリメントなどでカロテノイドを補給すると今度はきれいに改善していきます。
しかも、そのカロテノイドレベルのアップダウンを視覚化して被験者にフィードバックすることで、被験者自ら行動を改善するようになりました。ある検査では、被験者の41%がタバコをやめ、また過剰な飲酒の習慣を改めたり、それまで医師や親に言われてもがんとして野菜や果物を摂ろうとしなかった学生が、自らそれらを口にするようになったのです。

カロテノイドレベルを知り、健康的な生活習慣に

学生を対象に実施されたグループ試験の場合には、学生同士がまるでゲームのようにカロテノイドレベルの数値を競い合うようになりました。誰がもっともカロテノイドレベルが高いのか、カロテノイドレベルのチャンピオンになるために競い合ったのです。……その結果、自ら健康的な生活習慣を実践するようになりました。

さまざまなバイオマーカーが測定できる未来

つまり、カロテノイドレベルを測定し視覚化することで人は自らストレスや生活習慣を制御し、改善する行動をとることが明らかになりました。このような行動の変化は、皮膚や健康のアンチエイジングにとって非常に重要です。いま、私たちが提供するカロテノイドチェッカーは、非常に小型化され、ポケットに入れて持ち歩くことができます。そして、今後はカロテノイドレベル以外のさまざまなバイオマーカーを測定できるようになる未来がすぐそこにきています。
そして、いつでも、どこでも、視覚化されたそれぞれのバイオマーカーをチェックすることで、人は自ら老化を防ぐよう行動し、生活習慣を改めるというコーチング効果が得られるのです。

カロテノイドレベル分布
Ruo-Xi Yu et all. ; Spectroscopic biofeedback on cutaneous carotenoids as part of a prevention program could be effectiv to raise health awarness in adolescents; Journal of Biophotonics 1-12 (2013)

研究室の学生たちを被験者に、カロテノイドレベルを測定(フェイズ1)。
自分たちのカロテノイドレベルを自覚した学生たちは、自発的に生活習慣を改めてカロテノイドレベルを向上させた(フェイズ2)。

日常生活

ユルゲン・ラーデマン
(Jürgen Lademann)


シャリテ医科大学病院皮膚科教授

実験応用生理学センター(CCP)ディレクター。主要な研究テーマは、人の皮膚のアンチエイジング。ラマン分光計の開発にたずさわり、カロテノイドチェッカー開発にも大きく貢献した。

栄養書庫発行 : 『ヘルステックガイドシリーズ-0 カロテノイドチェッカー』より

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