森永乳業株式会社 機能素材事業本部
機能素材事業部 シニアマネージャー
古田 雄一郎 氏

腸内環境の現状レポート
ちょっと恥ずかしいけれど、とても大事なお話です。
実は、うんこの中身の大半は食べ物のかすではありません。食べかすは全体のわずか1~2%ほど。残りの大部分は、水分、そして腸の中で増えたり死んだりした腸内細菌たちのかたまりです。さらに腸の粘膜が新陳代謝で剥がれ落ちた細胞なども含まれています。つまり、うんことは「あなたの腸内環境の現状レポート」そのものなのです。
便を見ればわかる
腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖をエサにして活動すると、短鎖脂肪酸が生み出されます。この短鎖脂肪酸は腸を元気に保ち、さらに全身に良い影響を及ぼすのですが、その過程で腸内細菌自身もどんどん増え、やがて寿命を迎えて死骸となり、便に混ざります。だから便を見れば、腸内細菌たちがしっかり働いていたかどうかが一目でわかるのです。

UNKOは体からのお便り
「毎日きちんと出ているか」「形や色はどうか」――こうした観察は、腸から届いた健康のお便りを読んでいるようなものです。たとえばバナナ型でにおいがきつくない便は、腸内細菌が元気に働いているサイン。逆に硬い便や強い悪臭は、腸の中でバランスが乱れている合図です。
便は健康の鏡
最新の研究では、便を詳しく分析することで、どんな腸内細菌がどれくらいいるのか、どんな短鎖脂肪酸がつくられているのかまでわかるようになってきました。まさに「便は健康の鏡」。腸内細菌と私たちがどんな関係を築けているかを教えてくれる、ありがたいメッセージなのです。

古田 雄一郎(ふるた ゆういちろう)
森永乳業 株式会社 機能素材事業本部
機能素材事業部 シニアマネージャー
1996年麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、森永乳業入社。子会社の(株)クリニコで医療食販売や在宅医療事業などに従事。2010年より機能素材事業部で機能性素材販売などBtoB事業を行う。2015年以降は食品素材事業部にて、機能性素材の販売企画に携わり、2025年4月より現職。

