元国立研究開発法人産業技術総合研究所生命工学領域主任研究員
河田 悦和 農学博士
天然由来ケトン体との違い
現在アメリカ市場で流通しているケトン体は、化学合成品です。それゆえ、日本では食品として販売が認められておらず、通販サイトなどから自己責任の個人輸入で手に入れるしかありません。加えて、天然由来ケトン体とのもっとも大きな違いは、有効性が50%しかないという点です。
■ 発酵品と化学合成品との比較
・日本で食品として認められるのは発酵法で製造したD-BHBのみ
D-BHBとL-BHB
BHBには有効成分であるD-BHBと、鏡像異性体であるL-BHBがあります。天然由来ケトン体はD-BHBが100%ですが、化学合成品にはD体とL体が半分ずつ含まれています。
L-BHBの代謝経路などに関する研究は限られており、その生理的効果や安全性についての情報が不足しています。そのため、予期しない副作用や健康リスクが存在する可能性があります。加えて、化石原料を用いて作られている点にも注意が必要でしょう。
■ 鏡像異性体
※アミノ酸や乳酸、カルニチンなどにもL体、D体の鏡像異性体の区別があります。
ほぼ100%まで純度が高められる
天然由来ケトン体は、遺伝子組換えでないハロモナス菌を用いて、ショ糖などの天然由来の原料から作られます。お酒のような形で発酵したのち、発酵液から不要物を除き、ほぼ100%まで純度が高められます。いわば酢や醤油と同様、発酵食品となります。さらに、厚生労働省から食品(非医薬品リスト掲載)としての認定を受けています。そのため、健康系サプリメントや化粧品だけでなくドリンクやスナックなどの一般食品への応用が可能です。
天然由来ケトン体であることに大きな意味が
加えて、糖質制限などによるケトジェニックと比較して、天然由来ケトン体D-BHBを経口摂取することで、スムーズにケトジェニック状態へと移行し、D-BHBから直接エネルギーを得ることができます。誰もが、この天然由来ケトン体の働きを、日常生活に取り入れることで、手軽に、豊かで健康な暮らしを実現できることを、私たちは願っています。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-36 天然由来ケトン体の秘密』より
医療ダイエットで痩せ体質をつくる【ファイヤークリニック】