再生医療美容医療専門 世界美容外科学会専門医
肌管理クリニック 松澤宗範 医師

NMNの利用方法
美容クリニックにおけるNMN の利用方法は、現在点滴と内服が主流です。とくに日本では一時的にNMNの点滴がブームになり、多くのクリニックで取り入れられました。NAD+ も含めて、点滴については即効性を求める方には適していますが、その考察や吸収経路に関してはまだ研究の途中で、点滴によるNMN の体内吸収には未知の部分が残っています。
NMNの内服と外用の違い
内服によるNMN も効果的で、腸管で吸収されることから毎日のサプリメントとして手軽に利用できると人気です。内服では体内でゆっくりと効果が現れるため、長期的な使用が推奨されています。
外用に関しては、これまではNMNについては皮膚からの吸収があまり見込めないということで、多くのNMN 化粧品がありますけれども、私自身は扱ってきませんでした。
外用NMNである浸透型NMN誘導体
ここにきて注目を集めているのが、外用NMNである浸透型NMN誘導体です。NMNを肌に塗っても、従来の製品では表面に残りやすく、真皮層までしっかり浸透させるのは難しいというのが常識でした。
ところが、浸透型NMN誘導体は浸透型ペプチドの概念を利用した構造によって表皮に浸透して肌の奥深くまで届き、細胞に効果的に働きかけることが可能となったのです。この浸透型の外用NMNにより、顔のシワやたるみ、シミといった老化の悩みを外側からサポートでき、定期的に使用することで肌全体の印象に大きな違いが出ると考えています。

浸透型NMN誘導体の広がり
浸透型NMN誘導体は、様々なクリニックでも推奨され始めています。皮膚の代謝が促進され、ターンオーバーが整えられるだけでなく、シミの予防や小じわの改善にも効果があります。またNMNによる若返り効果は、他の美容成分には無い細胞レベルのアプローチが特徴で、多くの美容成分が持つ表面的な抗酸化や保湿効果に留まらず、細胞本来の健康をサポートできる点が魅力です。
予防医療とNMN
さらにNMNは、サーチュイン遺伝子を活性化して細胞のエネルギー生成に関与し、炎症を抑え、肌細胞を再生する役割を持ちます。老化に関して理論的にも高い効果が期待されています。またアメリカでもNMNやNAD +の研究が進んでおり、とくに予防医療の分野でおおいに注目されています。
浸透型NMN誘導体が若返り遺伝子サーチュイン1の発現を促進
老化処理した線維芽細胞(SIRT1=サーチュイン1量減少)が、浸透型NMN誘導体により減少したSIRT1が濃度依存的に回復することが確認された。

同試験結果については、蛍光顕微鏡観察でも有意な差が確認された。

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-37 浸透型NMN誘導体の美容力』より

