体のコゲと呼ばれている糖化
近年、老化やガンを引き起こす危険因子として「糖化」が注目されています。活性酸素による酸化が「体のサビ」と言われるのに対して、糖化は糖質とタンパク質や脂質などが結びつくことでおこる「体のコゲ」と呼ばれています。
AGEsとは
糖質は私たちにとって脳や身体を動かすために必要不可欠なエネルギーです。ところが余剰な糖質が体内で代謝されずに残り、タンパク質や脂質などと結びつくと、タンパク質が変性してAGEs(終末糖化産物)という物質が生成されます。このAGEsは、がんをはじめとする生活習慣病のみならず、肌のくすみや弾力の低下によるシミ、シワなどの老化現象を引き起こすことがわかっています。
AGEsが増加してしまうと
さらに RAGEという受容体が、このAGEsを受け取ると炎症が起こり、細胞がダメージを受けて機能低下や機能不全を起こします。通常、機能不全を起こした細胞は分解システムによって再利用されるため、身体に悪影響を与えません。しかし糖分の摂りすぎや代謝の減少などによって糖化が進みAGEsが増加してしまうと、機能不全になったタンパク質も蓄積され、様々な体の不調に繋がると考えられています。
酸化と糖化の関係性
また最近では、酸化と糖化は関係が深いと考えられています。抗酸化酵素はタンパク質でできているため、糖化によってタンパク質が劣化・変性してしまうと、抗酸化酵素が効力を発揮できなくなってしまい、酸化による細胞のダメージが増長されてしまうという危険も指摘されています。
細胞を活性化させ新陳代謝を促進する核酸は、こうした糖化によって起こる老化のリスクを軽減する食品としても期待されています。
糖化を引き起こす2大要因
〇過剰な糖質の摂取
炭水化物やスイーツなどの摂りすぎは、糖化を引き起こす最大の要因です。糖化によってコラーゲンの合成を妨げる酵素が活性化すると、酵素の働きが低下して肌のハリやツヤが失われ、見た目の老化が早まってしまいます。
〇急激な血糖値の上昇
血糖値が急激に上がると、余分な糖が細胞内に取り込まれ糖化が進みます。朝食を食べている人に比べ、朝食を抜いた人は昼食後の血糖値が上がります。野菜から先に食べるなど血糖値を上げない食べ方を心がけましょう。
糖化が引き起こすリスク
たとえば、ホットケーキがきつね色になるのは、砂糖と卵や牛乳などのタンパク質が結びついて起こる現象で、「メイラード反応」と言われます。これと同じことが私たちの身体の中で起こる糖化です。細胞内の余分な糖とタンパク質が長期間触れることで、AGEs(終末糖化産物)が生成されます。AGEsの蓄積が老化やさまざまな体の不調を引き起こす一因と言われています。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-34 核酸の秘密』より