
肌の役割
肌の主要な役割の一つはバリア機能です。体の水分維持、物理的なショックや刺激からの保護、異物(細菌やウイルス、大気汚染物質、ハウスダスト、紫外線など)の侵入防止などの働きがあります。
物理的なバリアと生理的なバリア
こうした働きの最前線に立っているのが、物理的なバリアです。表皮にある角質層、顆粒層のタイトジャンクションが体の内と外をわけ、水分や器官を守っています。
同時に生理的なバリアでは、肌を構成するさまざまな細胞が働き、異物の侵入などをさらに防いでいます。
LPSで線維芽細胞を増やす情報が増える
真皮では、LPSで活発になったマクロファージによって、線維芽細胞を増やす情報が出やすくなり、線維芽細胞のターンオーバーを促したりヒアルロン酸の産生を増やすと考えられます。
Treg細胞がLPSに反応し炎症を抑える
表皮の有棘層にあるランゲルハンス細胞※は、皮膚マクロファージとして自然免疫システムを働かせるほか、Treg(ティーレグ)細胞の活性化にも関わっています。
Treg細胞は、TLR4(LPS 受容体)を持つ炎症抑制性の細胞で、T細胞としては珍しくLPS に反応することができます。この仕組みがLPSの炎症を抑える働きを支えていると考えられます。
肌は、物理的なバリアだけでなく、これらの細胞同士が協力しあう生理的なバリアにも守られ、体の健康を保っているのです。
肌の役割
◉水分の維持
◉外部刺激・衝撃からの保護
◉化学物質からの保護
◉細菌の侵入防止

※ランゲルハンス細胞 樹状の皮膚マクロファージの一つ。傷んだ肌の修復、バリア機能の向上、抗炎症などさまざまな作用をもたらす。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-13 パントエア菌LPSの美肌力』より





