エイジングケア・サプリメント情報発信メディア

栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

美肌菌を増やすバイオスキンケアの時代へ

頭にタオルを巻く

新しいスキンケア

肌のカサカサや開いた毛穴、ニキビや吹き出物など、肌が荒れているときは気分も落ち込んでしまいます。季節の変わり目になると肌が荒れて、治りにくくなる“ゆらぎ肌”を気にする人も増加しています。
こうした肌荒れを改善し健康で美しい肌を保つ美肌菌は、新しいスキンケア・新しい美容研究分野です。

美肌菌と皮膚の健康

2015 年に皮膚科学会で発表された長崎国際大学の榊原隆三教授らによる研究では、培養した自分の美肌菌を肌に戻すことで、皮膚の脂質量が増加し水分の蒸発が抑制され、皮膚の水分保持が大幅に改善されたことが報告されています(本書P32 参照)。
この研究では、皮膚の健康を示すパラメーター(水分含有量、水分蒸発、脂質含有量、pH など)で、すべての被験者が有意な結果になりました。さらに美肌菌の増強は皮膚表面の状態をサポートし、一部の有機酸が増加することも判明しました(図1)。

■美肌菌戻し法による皮膚表面の有機酸の増加(図1)

臨床試験前と臨床試験後(4 週間)で有機酸の増加が認められました。グリセリンが約1.8 倍、乳酸量が約1.9 倍、プロピオン酸量は約1.6 倍に増加しました。乳酸は皮膚との相互作用で水分を吸収する保湿剤として作用するため、水分の保持が示唆されました。

有機酸の増加

水分保持と皮膚バリア機能の変化

また、臨床試験後に皮膚の炎症程度とメラノサイトへの影響を確認したところ、有意な変化は観察されず炎症を調節する役割が示唆されました(図2)。
これらの結果は、美肌菌の増強が水分保持と皮膚バリア機能の改善に寄与していると考えられます。

■美肌菌戻し法によるによる副作用は観察されない(図2)

臨床試験の開始時と終了時に、皮膚の炎症の程度とメラノサイトへの影響を反映する紅斑とメラニンのレベルを測定したところ、有意な変化は確認されませんでした。

紅斑レベル
メラニンレベル

出典:Yuichi Nodake et al., Pilot study on novel skin care method by augmentation with Staphylococcus epidermidis, an autologous skin microbe – A blindedrandomized clinical trial(10 March 2015) Journal of Dermatological Science より改変

パーソナライズされたバイオスキンケア

今後、美肌菌の臨床研究が進むことで、基礎化粧品から日焼け止めまで応用が期待できます。このことからも保湿重視のスキンケアから、パーソナライズされたバイオスキンケアへと変化していく可能性が考えられています。

栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-5 美肌菌きれい研究ブック』より

オンラインショップ
新規会員登録

栄養書庫オンラインショップを
ご利用されたい方は
新規会員登録をお願いします。

新規会員登録

栄養書庫への
お問い合わせ

栄養書庫へのご質問、ご相談、
メディア掲載希望の方は
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ
トップへ戻る