血糖とは
私たちのからだは、食事を消化して作りだしたブドウ糖を肝臓から血液に乗せて全身に送り出し、細胞のエネルギー源として供給しています。これが血糖です。空腹時でも100mlの血液中に80〜100mg程度のブドウ糖が含まれていますが、食べ過ぎ等で産生した血糖がエネルギー消費を上回る状態が続くと、血液中に血糖が大量に余ります。
余った血糖がたんぱく質と結びつき「糖化」する
余った血糖がたんぱく質と反応することが糖化(glycation:グリケーション)で、からだの焦げである「糖化現象」は、まず血液中で起こります。赤血球のたんぱく質・ヘモグロビンと糖が結合すると糖化ヘモグロビン(HbA1c)となり、ヘモグロビンの全身に酸素を運ぶ能力が低下し、体中の細胞が低酸素状態となり新陳代謝が低下してしまいます。ホルモン、栄養素を運搬するアルブミンが糖化するとグリコアルブミン(GA)となります。HbA1cとGAは糖尿病の診断の主要な指標です(図1)。
動脈硬化の原因
またコレステロールの一種であるLDL-Cが糖化すると血管壁に付着しAGEsが溜まってきます。マクロファージは異物を食べて分解する白血球(図2)ですが、糖化LDLを分解しきれず、残骸が血管の内壁に蓄積されてこぶになります。これがアテロームと呼ばれる粥状の塊で、その周辺では組織の繊維化が起きて、硬化します(図3)。これが動脈硬化の原因です。
血糖値が高くなるとこのような血管の障害が全身で起きるため、様々な病気を招くことになります。
■血管の糖化
余分な糖が血液中のヘモグロビン、アルブミン、LDLコレステロールと結びつく(糖化)と機能が低下する
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-01 抗糖化ってなに?』より