エネルギーの使い道
糖化を予防、抑制するためには余分な糖を作らない食生活とともに、糖を余らせず燃焼させる運動が重要です。体内で作られたエネルギーの使い道は主に3つです。最大のエネルギー消費は基礎代謝と呼ばれ、人が安静状態で1日に消費するエネルギー量のことで、全エネルギー消費の約60%を占めます。そのうちの40%が筋肉で、残りは肝臓をはじめとする内臓、脳などが消費します。二つ目は家事や仕事、通勤や食事等で消費する身体活動による消費、三つ目は食事によって熱が発生する食事誘発性熱産生で全体の1割程度です(図1)。
基礎代謝の推移
基礎代謝は、40代の女性(標準体重53kg)では1,150kcal程度です。基礎代謝は通常、年齢が上がるとともに次第に低下していきます。とくに運動習慣が無いと、低下量は年に1%といわれ、30年で30%もの筋肉が減って逆に脂肪が増えてしまうのです(図2)。
運動によって基礎代謝を上げ、糖を消費しやすいからだを作る
基礎代謝を上げるためには、筋肉を増やすことが重要であり、そのために運動することと筋肉の材料であるたんぱく質とビタミンを摂取することが大切になります。スクワットは、大きな筋肉が集まっている下肢全体をまんべんなく動かすため、基礎代謝アップに効果的です(図3)。正しい姿勢で無理ない回数を行いましょう。
基礎代謝を上げると抗糖化の観点から良い点が2つあります。1つはブドウ糖を消費しやすい、エネルギー代謝のいいからだになっていきます。もう一つは、蓄積した脂肪細胞を燃やし、からだをスリムに戻す点です。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-01 抗糖化ってなに?』より