
腸内マイクロバイオーム
みなさんの腸の中には、数十兆もの腸内細菌が暮らしています。彼らは「腸内マイクロバイオーム」と呼ばれ、人の体と共生しながら健康を支える小さな仲間たちです。
私たちが食べた野菜や果物、ごはんや豆類には、人間自身の消化酵素では分解できない「食物繊維」や、また「オリゴ糖」が含まれています。これらはそのまま大腸に届き、腸内細菌にとってはご馳走になります。
短鎖脂肪酸とは
細菌たちはそれらを食べて発酵し、その代謝産物として「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」を生み出します。代表的なものが酢酸、酪酸、プロピオン酸の3種類。これらは腸の中で働くだけでなく血流にのって全身に届き、腸内フローラを整え、炎症を鎮め、肥満や糖尿病の予防、さらには脳や肌の健康にも役立つことが分かってきました。
腸の仲間がつくる、若さと健康の宝物質
つまり短鎖脂肪酸とは、腸から全身へ“若さと健康”を届けるお宝物質。近年の研究によって、その働きの重要性はますます明らかになり、世界中で注目を集めています。
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど全身と深くつながっている臓器。その腸が元気に働くためには、腸内細菌がしっかり短鎖脂肪酸を生み出してくれることが欠かせません。そして、腸内細菌を支えるカギは、私たちの毎日の食生活とライフスタイルにあるのです。
短鎖脂肪酸の誕生
わたしたちのおなかには、たくさんの菌がすんでいて、人が消化できない食物繊維を食べています。
元気な菌たちは発酵して「短鎖脂肪酸」というお宝をつくり、体を健康にしてくれるのです。
① 腸の中には何十兆という菌がすんでいて、日々元気に働いています。

② 人が消化できない食物繊維やオリゴ糖を、菌たちがエサにして食べます。

③ そのときに善玉菌が出すのが、体に良いお宝「短鎖脂肪酸」です。

栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-13 腸内細菌がみんな元気に!短鎖脂肪酸を育てよう』より





