水素水は水素の気泡を溶かし込んだ水
水素水とは、水素の気泡、つまり水素バブルを豊富に溶かし込んだ水のことです。水素は、体の「表面」から「内部」へと浸み込み、特に臓器の奥深くまで到達します。これが、地球上で最小の分子である水素の真骨頂で、他の物質ではなし得ない最大の効力なのです。水素は、皮膚表面から浸透してターゲットとする病巣まで到達し、様々な病気や機能異常に有効に働きます。
では、その水素バブルは、どのように作られるのでしょうか?実は電極を備えた装置を浴槽(湯船)に投入してスイッチを押すだけで、白濁した水素バブルが発生し、普通の浴槽が水素風呂になるのです(図1)。
水素は“超微細な気泡 ”になると、威力を発揮する
水素バブルには、「白濁して肉眼で見える水素バブル」と「肉眼では見えない超微細な水素バブル」があります。白濁した水素バブルも体に有益ですが、それ以上に有益なのが、目に見えない水素ナノバブル(超微細な気泡)です。この水素バブルが一つずつ肌や体内にしみ込んでいきます。特に角質層が薄く毛穴(毛孔、皮脂腺、汗孔)の豊富な腋の下・襟足・陰部・肛門・爪まわりから浸透しやすいと考えられます。
水素ナノバブルを「見える化」した動画を筆者らは取得しています(図2)。暗闇でレーザー光線を受けてハレーション(反射して光る)しているのがナノバブルです。水素ナノバブルは、ヒト細胞の約 150分の1の小さなサイズです。このため、細胞内にも水素が染み込み、細胞内の活性酸素も消去してくれます。
化粧品の宣伝では、「小さなサイズの成分が、皮膚の深くまで浸透する」という文言をよく耳にします。しかし、水素ほど小さな分子は地球に存在しません。いかに水素がかけがえのない存在かが分かります。この水素ナノバブルが体の奥深くに浸透して、活性酸素を撃退し、病気や肌トラブルを引き起こす元凶を抑制してくれます。
一方、普通の風呂には水素ナノバブルはほとんど存在しません。レーザー光線を照射して顕微鏡で拡大した写真でも、ほぼ真っ暗です(図2)。普通の水道水の風呂には水素バブルはほぼ存在しないため、水素を発生させる電気分解の装置が必要なのです。
電気分解でつくる水素バブルが長持ちする理由とは?
肉眼で見える水素マクロバブルはすぐにお湯の表面に浮き上がって消滅します。一方で、肉眼で見えない超微細な水素ナノバブルは長時間お湯の中に漂っています。浮き上がりにくく沈みにくいため、なかなか消滅しません。水素マクロバブルに比較して、水素ナノバブルは壊れにくく、体に取り込まれやすいのです。 では一般論として、体に有益な水素ナノバブルをどう見分けたら良いのでしょう? 肉眼で激しく水素バブルが白濁してブクブク見える時は、優良な水素風呂の装置であれば、それに応じて水素ナノバブルも豊富である傾向が認められます。
ただし、筆者らが行った試験では、3種類の水素風呂の方式、「電気分解(電解)方式」、「水素ガスのバブリング(気体注入)方式」、「水素発生剤の投入方式」のうちでは、電解方式が最も水素が豊富で長持ちしやすいことがわかっています。
その理由として、電気分解では、電極表面から極微量の白金イオンが溶け出します。ICP-MS法という方法で分析した結果、電解前には検出されなかった白金が、電解の後には510ppbの濃度で検出されることを、筆者らは論文で報告しました。この白金イオンを核として、その周りに、水素分子が吸蔵されるために、安定化すると考えられます(図1)。白金は、その 85倍 もの重量の水素を吸蔵するという説もあります。
白金は厚生労働省の食品添加物として認可された安心安全な物質であり、健康サプリメントとして市販もされている、水素とのベストパートナーと言えるでしょう。
■肉眼で見える水素風呂の電極から発生する水素マクロ(巨視的)バブル(図1)
■電気分解がナノバブル(超微細な気泡)を生成する(図2)
栄養書庫発行 : 『水素の効力』より