水素の抗酸化作用が人体に有効か検証
水素が細胞や動物実験レベルでは高い抗酸化作用を示し、活性酸素を消去することが実証されています。この効果が実際に人体でも有効なのか、多くの臨床試験が進行中です。
県立広島大学三羽教授の研究室では、電気分解によって水素を溶解させた水素風呂を使用し、人が入湯した前後の血中の抗酸化力を計測しました。3人の方に60分電気分解を実施した40℃の湯に10分浸かってもらい、その後、時間経過とともに5回採血し抗酸化力を計測しました(図1)。
予防力の貯金
各人の血中の抗酸化力は経時的に変動しますが、その他の血液組成や条件は変わらず、信頼度の高い結果が得られます。計測すると抗酸化力は11~17%増大しており、人体レベルでも水素の抗酸化作用が確認されました(図2)。入浴から 2時間経過後も抗酸化力が高い状態を維持していることから、水素の摂取は、酸化ストレスへの「予防力の貯金」と考えられます。
酸化ストレスから守る
飲酒によるストレスを三羽研究室で調べたところ、焼酎6銘柄全てで発がん性の有害物質アセトアルデヒドが16~36ppm検出されました。その平均値で120㎖飲酒すると血管壁や肝臓にダメージを与えるレベルです。この焼酎1㎖に対し水素を含ませたシリカ粒子1㎎を混合すると20分後にアセトアルデヒドが解毒されました。さらに焼酎120㎖飲酒10分後に水素水(1370ppb)を180㎖飲むと、より高い解毒作用が得られることになります(図3)。水素を摂ることで飲酒その他の酸化ストレスから肝臓や血管を守る保険としての効果が期待できます。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-21 水素の美容・健康力』より