
インターミッテントファスティングとアンチエイジング
インターミッテントファスティングのアンチエイジング効果については、世界で多くの研究が進められています。新しい報告では、老化の主要原因であるミトコンドリアの機能低下、酸化ストレス増加について比較試験を実施し、これらのパラメータを大幅に改善することが明らかになりました。
食事制限をした実験
米国オクラホマ大学健康科学センターのマディソン・ミラン博士らは、1歳のマウス(人間でいうと中年期)に対して、12か月間1日6時間だけ食事を与えました。そして、若いマウスや特に食事制限をしなかったグループと比べて、血管がどれくらい柔らかく広がったか(血管弛緩)や、ミトコンドリアの働き、酸化ストレスの度合いなどを詳しく調べました。
DOI: 10.1016/j.redox.2024.103189 掲載誌: Redox Biology 2024 Jul:73:103189.

インターミッテントファスティングの可能性を示唆
その結果、好きなだけ食べたマウスは年齢とともに血管が硬くなり、ミトコンドリアの働きも低下しました。酸化ストレスのレベルも高く、血管の健康が悪化していたのです。ところが、インターミッテントファスティングを実施したマウスでは血管が柔らかくなり、ミトコンドリアの機能が改善され、酸化ストレスが軽減されていることが確認されました。これは、インターミッテントファスティングが身体の内側から若々しさを維持し、中・高齢者の健康を促進する可能性があることを示唆しています。
▶ ミトコンドリア呼吸を正常化
マディソン・ミラン博士の研究グループは、加齢にともない低下するミトコンドリア呼吸について比較調査しました。その結果、インターミッテントファスティング実施の高齢者グループは若年者グループとあまり変わらない酸素流量を示しました。

▶ ROS(活性酸素種)生成軽減
同上の研究により、インターミッテントファスティングが酸化ストレスの元凶ROS生成を軽減することが明らかになりました。ミトコンドリア活性もROS生成軽減も、アンチエイジングを目指すための最重要課題。その実現手段として大いに注目を集めています。

栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-9 あなたのカラダ、ドラマチックに変化 インターミッテントファスティング』より

