
「腸活」から「マイクロバイオーム」の時代へ
腸活といえば、これまで「食物繊維」「発酵食品」「乳酸菌」といった言葉が中心でした。しかし近年、マイクロバイオーム(腸内細菌叢)の研究は、健康や老化との関わりを探る研究の最前線として、世界中で急速に進んでいます。腸内細菌は、もはや消化を助けるだけの存在ではありません。代謝、免疫、脳、老化、毎日のコンディションにまで関わる体内のもうひとつの生命システムとして見直されているのです。
いま注目される核酸とヌクレオチド
そうした研究の中で、腸内環境との関わりが研究されている成分のひとつが「核酸」や「ヌクレオチド」です。ヌクレオチドは、核酸であるDNAやRNAを構成する基本単位であり、細胞の情報伝達やエネルギー代謝にも関わる重要な分子です。さらに、母乳中にも含まれる成分として知られ、赤ちゃんの腸内細菌叢形成との関係を調べる研究も進められています。

ヌクレオチドと腸内環境をめぐる研究
乳児用ミルクにヌクレオチドを加えた研究では、赤ちゃんの便中の腸内細菌叢に変化がみられたことが報告されています。また、基礎研究などでは、食事由来のヌクレオチドが、腸内細菌の多様性や代謝物、腸管バリア、さらには腸脳相関にまで関わる可能性も研究されています。
腸と核酸の研究は、私たちの身近なテーマへ
赤ちゃんの腸づくり、年齢とともに変化する腸内環境、そして毎日のコンディションとの関わりまで。腸と核酸の研究は、もはや専門家だけのテーマではなく、自分と家族の健康を考えるうえでも、身近なテーマになりつつあります。
乳児の腸内細菌叢とヌクレオチド
乳児用ミルクにヌクレオチドを加えたヒト試験では、赤ちゃんの便中の腸内細菌叢に変化がみられたことが報告されています。
出典 :
Singhal A, et al. Am J Clin Nutr. 2008
DOI: 10.1093/ajcn/87.6.1785
※この研究は、特定の食品や飲料の効果を直接示すものではありません。核酸・ヌクレオチドと腸内環境との関わりについては、このほかにもさまざまな研究が進められています。詳しい研究エビデンスは本書で紹介しています。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-16 核酸/ Nucleic Acid 最新研究エビデンス集』より















