紫外線によるコラーゲンの老化変性
目立つ毛穴やたるみ、水分量や皮脂量の低下など、加齢による肌の変化は誰にとっても悩ましいものですが、特に紫外線を浴びやすい顔まわりは、たるみやシワなどが現れやすいといわれています。
これは加齢による自然老化のみならず、紫外線が肌の真皮層にもダメージを与えるためで、コラーゲン繊維が橋を架け合うように結びつき肌のハリや弾力を作り出している真皮層が傷つけられることでコラーゲンが老化変性し、たるみやシワなどができやすくなってしまうのです。
一重項酸素にアスタキサンチン
原因となるのが、紫外線によって真皮層で発生する一重項酸素と呼ばれる活性酸素。しかし、この〈悪玉〉ともいえる一重項酸素に対して、強力な抗酸化能を持っているのがアスタキサンチンなのです。
表皮のみならず、皮膚細胞内でも
アスタキサンチンは表皮のみならず、皮膚細胞内でもUV-Aによるコラゲナーゼ酵素の発現の増加を有意に抑制し、程度は弱いもののエラスターゼ酵素の遺伝子、タンパク、酵素活性発現の増加を消去する効果を持っていることがわかっています。
アスタキサンチンを含むクリーム製剤の試験結果
また、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチンを含むクリーム製剤を長期連続使用したヒト試験結果では、皮膚の保湿を向上させ、皮溝キメの均一性を促し、肌弾力を良好に保ち、シワを軽減する効果があることが示唆されています。
■アスタキサンチン含有クリーム製剤外用試験
角層水分量の変化(4週間)40±2歳女性乾燥肌11名
被験者は乾燥肌で小ジワやシワが気になると自覚する40±2歳健常女性11名で、1日1回夜、洗顔後に指定の化粧水を塗布後、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン(5%含有抽出物)を目周、口元の塗布を必須とし、他に顔面の小ジワの気になる部位に使用するよう指示した。その結果、クリーム製剤使用前に比べ、目尻および頬部の角層水分量が有意に上昇した。
■アスタキサンチン含有クリーム製剤外用(2週間)20名
皮膚計測専門家4名による皮膚写真判定
30~40代の健常な女性(平均年齢 36歳、普通肌6名、乾燥肌7名、混合肌7名)20名を被験者に、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン(5%含有抽出物)を0.7mg/g配合したクリーム製剤を処方し、目元クリームとして2週間使用させた。その結果、皮膚計測専門家による目じりの皮膚写真判定において半数が改善したことが確認できた。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-23 アスタキサンチンの美容・健康力』より