大昔からの食糧難への対応が現在にも受け継がれている
エネルギー源である糖は人にとって必要不可欠で、絶対摂らなければなりません。人類はその長い歴史のなかで、飢餓の状態、災害や食糧難による栄養不足に襲われ続けてきました。
そのため、人間はなんとかエネルギー源であるブドウ糖を体内に蓄えようと進化してきました。体内でブドウ糖は脂肪に変えられて蓄積されます。その体質は現代人であるわれわれにもそのまま受け継がれています。
余剰の糖は体脂肪へ
摂取したブドウ糖を余さず燃やしてエネルギーを消費すれば健康で元気な状態が保たれます。しかし過剰な糖が産生されると、燃焼しきれない余剰の糖が体脂肪として蓄積されていきます。
肥満した脂肪組織では有害な活性酸素の発生が促進され、いわゆるメタボリックシンドロームの状態になるのです。
飽食の現代人は人類の進化の過程を理解し、自分でコントロールが必要
アンチエイジングにおいては、この人間の体質の初期設定への理解が欠かせません。
現代人の生活では、甘いもの、美味しいものを過剰に食べて、さらにからだが楽になるよう、仕事も移動も座ったままが普通になっています。安楽な生活を享受するようになると、からだを動かして消費してきたエネルギーが、体脂肪として溜め込まれ、本来の栄養を蓄える目的と相反する様々な病気が起こってくるのです。
まずは人類の進化の過程で食べられない状態にからだが適応してしまっていることを理解して、過剰に食べない、なるべくからだを動かす等、自分でコントロールする必要があるのです。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-01 抗糖化ってなに?』より