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日本のコタラヒムブツ(サラシア)の研究の経緯

名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授・副研究科長(栄養生化学研究室)
下村 吉治 医学博士

下村吉治博士

日本のコタラヒムブツ(サラシア)研究の歴史

コタラヒムブツ(サラシア)は、もともとスリランカの薬木として、国の宝として大事にされていました。

日本で研究が始まったのは2000年になる少し前。京都薬科大学の先生方がスリランカ産のコタラヒムブツ、正式にはサラシア・レティキュラータを研究されていました。2000年に入ってから大手企業も研究に参入。ただ、スリランカ産のコタラヒムブツ(サラシア)の安定した原料供給体制が整っていないという問題がありました。研究するにはリスクが高いと困っていたところ、同じサラシア属でインド産のサラシア・オブロンガが比較的簡単に、しかも安価に手に入るということで、そちらに切り替えていくことも多かったです。

一方、スリランカ産のコタラヒムブツ(サラシア)の研究で、特定保健用食品(トクホ)を取得し、製品化に成功した企業もあり、近年、その効果をうたった製品にも注目が集まっています。

特定保健用食品としてのコタラヒムブツ(サラシア)に強い関心

私自身がコタラヒムブツ(サラシア)と出会ったのは、昭和63年に発足した公益財団法人.応用生化学研究所の理事長であり、医学部時代の先輩であった杉山理氏に紹介してもらったことが始まりです。私の研究室は、もともと栄養の研究室であることから、研究素材として食品およびアミノ酸を扱っており、特定保健用食品として認められているコタラヒムブツ(サラシア)に強い関心を抱きました。

※コタラヒムブツ(サラシア)のサラシアは、正式にはサラシアレティキュラータのことです。

薬木

下村 吉治(しもむら よしはる)

名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授・副研究科長(栄養生化学研究室)
公益財団法人応用生化学研究所理事

名古屋大学大学院.医学研究科博士課程修了(医学博士(名古屋大学)取得)後、名古屋大学医学部助手を経て、米国インディアナ大学医学部生化学講座に留学。帰国後、筑波大学体育科学系講師、名古屋工業大学工学部助教授、名古屋工業大学工学部・工学研究科教授、名古屋大学大学院生命農学研究科教授、2015年に名古屋大学大学院生命農学研究科評議員(副研究科長)現在に至る。主研究テーマは「分岐鎖アミノ酸代謝の調節機構に関する研究」。学会活動として 2016年から現在、公益社団法人日本栄養・食糧学会会長、2011年~2014年日本アミノ酸学会会長を務める。主な受賞として、Ajinomoto Award BCAA基礎研究賞(2001年)、日本栄養・食糧学会学会賞(2011年)など。

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-12 サラシアレティキュラータ コタラヒムブツの秘密』より

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