
ホルモンが伝える体の指令
細胞に働きかけて代謝を調節するリガンド(細胞に情報を伝える“鍵”の役割を果たす物質)の代表がホルモンです。ホルモンは脳やさまざまな臓器から分泌されて、別の器官に情報を伝達し、たとえごく微量でも大きな影響力を持つ主要な命令系統となっています。
サイトカインとは何か
これとは別に局所的に働く命令系統があります。その代表が、細胞間で情報を伝達する物質の一つである「サイトカイン」です。ホルモンが全身に情報を伝える仕組みだとすれば、サイトカインは細胞同士が局所的に情報をやり取りする仕組みで、多くはタンパク質からできています。まだ解明されていないことも多いですが、現段階で確認されているサイトカインは数百種類にも上ります。
注目される成長因子とサイトカイン
その数ある中でも、細胞の成長や増殖に関わる成長因子(グロースファクター)や増殖因子は重要な役割を担っています(主な成長因子・増殖因子は図1)。免疫や炎症に関わるインターロイキンやインターフェロンも重要視されています。ヒト幹細胞培養液には、さまざまな成長因子や増殖因子を含むサイトカインが含まれていることが報告されています。
■ ヒト幹細胞培養液に含まれるおもな成長因子と増殖因子(図1)

EGF 上皮成長因子
FGF 線維芽細胞成長因子
NGF 神経成長因子
KGF/FGF-7 ケラチノサイト成長因子
VEGF 血管内皮増殖因子
TGF-β トランスフォーミング成長因子
IGF-1 インスリン様成長因子
PDGF 血小板由来成長因子
HGF 肝細胞増殖因子
サイトカインが伝える細胞へのメッセージ
たとえば、組織でコラーゲン量の変化などが生じると、幹細胞は周囲からの情報を受け取り、成長因子や増殖因子などの分泌に関わることが知られています。サイトカインは、細胞の表面でレセプター(鍵穴)に結合し、リガンド(鍵)として細胞内へ情報を伝達します。その情報に応じて、コラーゲンの産生やSODなどの抗酸化酵素の発現に関わることが報告されています。こうした細胞内の情報伝達が、細胞のさまざまな働きを調節しています。
ヒト幹細胞培養液は、その成分組成から、スキンケア分野で研究・開発が進められています。
■情報伝達の流れ

成長因子や増殖因子は、細胞表面のレセプター(受容体)に結合し、その情報が細胞内へ伝達されることで、必要なタンパク質の産生に関わると考えられています。ヒト幹細胞培養液には、こうした成長因子や増殖因子が含まれていることが報告されています。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-25 ヒト幹細胞培養液の美容力』より















