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栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

ケイ素の神秘 地球規模の働き

鉱物態シリカ

ケイ素の地球規模の循環

広島大学の池田 丈氏は、2015年の生物工学会誌「地球上のケイ素の循環と生物の関わり」※1でケイ素の地球規模の循環について述べている。池田氏によれば、ケイ素の地球上の循環が、生物の根幹となる炭素の循環と密接に関連している、という。

海洋における主要な炭素の一次生産者珪藻

その循環の主役である珪藻(図1) はほとんどが0.1㎜以下のサイズで、水のあるところなら地球上のいたるところに存在する。体を覆うガラス質の殻がケイ酸を材料にしている。この小さな珪藻が、地球上の炭酸ガスを炭水化物に変換する炭素固定の20%を担う、海洋における主要な炭素の一次生産者なのだという。

■珪藻(図1)

珪藻

珪藻(けいそう)は植物の一種(コンブ・ワカメの仲間)。様々な大きさ、形態があり、多くは単細胞生物。

珪藻は炭素を海の表層から深層へ引き込む

ケイ酸は陸上の鉱物の風化作用で生まれ、川から海に流れ込むことで供給される。ケイ酸は珪藻に取り込まれ生物態シリカになる。シリカは重たいので死んだ珪藻は深層に沈んでいく。その過程で溶けだしたものはケイ酸に戻るが、海底に達すると堆積したシリカは長い年月をかけて鉱物態シリカに変化する。また沈む過程で有機物も引き込むため、珪藻は炭素を海の表層から深層へ引き込む「生物ポンプ」としても機能している、という。

ケイ素と健康

このような極小から極大に至る循環のためか、ケイ素という物質について、強調される健康効果の多くはどこか神秘的な内容のものが多い。今後明らかにされていくケイ素の健康効果については、エビデンス(医学的証明)とその作用機序(メカニズム)の解明が重要となるだろう。

※1 池田 丈 地球上のケイ素の循環と生物の関わり. 生物工学会誌 93(2). 95. 2015

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-28 水溶性ケイ素の健康・美容力』より

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