医療法人美健会 ルネスクリニック東京・日本橋
真弓絵里子 医学博士
若返りの技術と美容治療のいま
いま若返りの技術と美容治療は、様々な進化と革新を遂げています。これらの技術は、単に見た目の美しさを追求するだけでなく、健康と活力を取り戻すためのものとしても広く受け入れられつつあります。私は、幅広い選択肢の中から患者の皆様の悩みに対応し、以下のような療法を提供しています。
分子栄養学と腸内環境の重要性
分子栄養学を活用し、個別のニーズに応じた治療計画を立てています。分子栄養学は、個々人の栄養素の代謝や吸収能力を評価し、それに基づいて食事やサプリメントの提案を行うものです。とくに腸内環境の改善を重視しており、腸内細菌のバランスを整えることで健康全般の向上を目指しています。このアプローチは、単なる美容効果を超えて、生活の質を向上させます。
生活習慣とエピジェネティクス
エピジェネティクス(遺伝子発現や細胞の表現型に影響を与える仕組みの研究)の観点から、私たちはそれぞれの生活習慣や環境因子が遺伝子の表現にどのように影響するかを研究しています。これにより、よりパーソナライズされた治療プランを提供し、個々の遺伝的背景に応じた最適なエイジングの管理を行っています。
ホルモン療法と再生医療
ホルモン療法は、更年期にある患者をはじめ、ホルモンバランスの乱れが気になる方に対して効果的な治療法です。適切なホルモンの補充により、心身の安定をもたらし、若々しさを取り戻すことが可能です。サクセスフルエイジングという言葉もあるように、いくつになっても社会に参加したり、海外で暮らしたり、恋愛をしたり。アンチエイジングイコール加齢に負けない美容というだけでなく、本当にアクティブな毎日を目指すシニアの方が増えてきていると思います。そのサポートとしても、ホルモン療法は有効ですね。
また、当院では再生医療において、幹細胞治療を中心に据えています。この治療では、患者の皆様から脂肪組織を取り出し、その中に含まれる幹細胞を培養します。培養された幹細胞は、点滴などを通じて体内に戻され、生体機能を大幅に向上させます。幹細胞は増殖する際に、多くの増殖因子や成長因子、コラーゲンなどを分泌します。そのため、培養で活性化された幹細胞を体内に戻すことで、老化による健康や美容の問題が改善されることが期待されています。
セノリティクスの将来性
セノリティクスは、老化した細胞を選択的に除去する新しい技術として注目されています。このアプローチは、老化プロセスを大幅に遅らせる可能性があり、将来的な治療法として期待されています。技術が成熟するにつれ、より多くの人々がその恩恵を受けることでしょう。広く老化細胞を除去するということであれば、自然成分であるケルセチンやクルクミン、NMN等にも注目しています。
ひとりひとりにパーソナライズされた治療
これら最先端の技術を取り入れることと同時に、医療は個々のニーズに応じたものでなければならないという理念のもと、私たちはひとりひとりにパーソナライズされた治療を提供、これからも、より多くの患者の皆様がいくつになっても美しく健康でいられることをサポートしてまいります。
真弓 絵里子(まゆみ えりこ)
内科医・医学博士
医療法人美健会 ルネスクリニック東京・日本橋
日本プライマリケア連合学会認定/プライマリケア認定医/日本抗加齢学会専門医/認定産業医/キレーション療法認定医 他
自身や家族の体調不良から従来の医療の限界と予防医療の重要性に気付き、新たに統合医療を学びつつ自身の心身の不調を克服した経験を活かして身体(Body)心(Mind)魂(Spirit)に働きかけ、本来人間の身体に備わっている自然治癒力を高めるという「真の健康」と「人生を存分に楽しむ活力」を満たすためのお手伝いをさせていただくことが、自身の生かされている意味、生きる喜びになると考える。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-8 セノリティクス老いなき世界への扉』より