炎症に関与する体内物質の産生を抑える働き
筋力低下、加齢、肥満などにより起こりやすくなるひざなどの関節痛。この関節痛はひざの周辺に炎症を起こす疾患です。本わさびには、炎症に関与する体内物質の産生を抑える働きがあるため、関節痛をやわらげてくれます。
炎症抑制効果で関節痛をやわらげる
1か月以上持続してひざ関節炎を有した人を対象に行った実験では、本わさび抽出物 6-MSITC1.0mg含有を12週間摂取し、関節の痛みに関する自覚症状を評価したところ、立ち上がり時の痛みを改善するという結果が得られました。
炎症時に生産されるCOX-2の活性だけを抑える
また、炎症時にはシクロオキシナーゼ2(COX-2)が過剰に生産されるのですが、このCOX-2の活性を阻害することで炎症が抑制されます。痛み時には、アスピリンやインドメタシン、イブプロフェンといった私たちも聞いたことのある抗炎症薬が使わるのですが、実はそれらは、COX-2と同時に生理機能維持に重要なCOX-1の活性も阻害してしまいます。
ところが「6-MSITC」は、炎症に関する重要な分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼを抑制することで、COX-1の活性を損なうことなく、COX-2などの発現抑制を抑え、炎症を抑えることが明らかにされています。
■わさび摂取による軽度のひざ関節痛抑制作用
1ヶ月以上持続して関節痛を有した者に本わさび抽出物 6-MSITC1.0mg含有(1日の6-MSITC摂取量1.0mg)を12週間摂取させ、関節の痛みに関する自覚症状を評価。その結果、正座や階段昇降、立ち上がり、歩行時にプラセボ群と比較して有意に6-MSITC群で改善結果が見られた。
■ COX-2産生抑制作用
RAW264細胞を6-MSITCで30分間処理した後にLPS刺激し、ウエスタンブロックによりCOX-2産生量を測定したところ、6-MSITCは濃度依存的にCOX-2の産生を抑制した。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-9 わさびの健康・美容力』より