ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾール
ストレスが加わると副腎皮質からストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが分泌されます(図1)。
コルチゾールの分泌量は朝目覚める直前に最大となり、覚醒後のストレスに備え、その後夜に向かって低下します。このサイクルが毎日の生活リズムを整えます(図2)。
しかし強いストレスが続きコルチゾールが分泌過剰になるとリズムが狂い、生活習慣病やうつ、不眠などを招きます。
イライラすると太る!?
脂肪細胞はコルチゾールの刺激で、脂肪を溜め込むようになります。
そのため同じ量の食事でも、イライラしている方がリラックスしているよりずっと太ってしまいます。こうして蓄積した脂肪が糖化のターゲットになり、炎症を広げ、老化を進行させるのです。
コルチゾールとインスリン
またコルチゾールはインスリン拮抗ホルモンとも呼ばれ、インスリンと逆に血糖値を上げます。過剰なコルチゾールはインスリンが働かない状態(インスリン抵抗性)を引き起こしますが、それを補うために過剰なインスリン分泌が起き(高インスリン血症)、さらに脂肪蓄積が促進されてしまいます。
さまざまなストレスは新陳代謝や免疫機能を低下させ、AGEs※の排泄が滞り、糖化の改善を妨げます。喜びや悲しみの感情も溜めこまず発散させることがアンチエイジングでは重要です。就寝時には日中の辛いことは忘れ、何か楽しいことを思い出して、ゆったりとした気持ちで睡眠をとる。そうした気分転換が非常に重要です。
※体内で消費されずに余った糖質とからだを構成するたんぱく質が結びつき、体温で熱せられると老化促進物質の最終糖化産物(advancedglycationendproducts:AGEs)が生まれます。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-01 抗糖化ってなに?』より