
由来
リモネン( Limonene )は、レモンやオレンジなどの果皮に豊富に含まれるモノテルペンで、柑橘系の香りの主成分です。果皮の精油として抽出され、古くから気分を高める香りとして利用されてきました。現在は食品香料、洗剤、芳香剤、アロマなど幅広い用途に活用されており、健康機能にも注目が集まっています。
特徴
近年の研究では、リモネンに抗炎症、抗酸化、抗腫瘍、脂肪代謝調整などの多機能性があることが示されています。とくに肝機能のサポートや免疫活性の調整作用が注目されており、メンタルバランスや集中力の向上にも効果が期待されています。
香りの印象
明るく爽快なシトラスの香り。オレンジやレモンの皮そのものの香気。
主な植物源

柑橘パワーで腸・脳・記憶をケア
レモンやオレンジの皮に豊富な「リモネン」は、そのさわやかな香りだけでなく、体の健康を支える力にも注目が高まっています。「腸の炎症」「脳ダメージ」「記憶・学習」に対する効果を示している3つのエビデンスを紹介いたします。
エビデンス :リモネン

炎症を引き起こす物質を使って腸にダメージを与えたマウスに、リモネンを経口投与すると、炎症マーカーが大幅に抑えられ、炎症を引き起こす経路も阻害。さらに抗酸化タンパク「Nrf2」が活性化され、腸の免疫バリア強化が期待できることが判明しました。
(DOI:10.3390/biom14030334)

肥満誘導マウスにリモネンと栗蜂蜜を組み合わせて長期間与え、肥満にともなう脳への負担を調査。結果、神経細胞死を抑え、BDNFや抗アポトーシス経路が元に戻り、脳の炎症や酸化ストレスも減少。記憶に関わるシグナル経路の改善が示され、肥満による脳へのダメージを和らげる効果が裏付けられました。
(DOI:10.3390/ijms24043467)

慢性的拘束ストレスを受けた雄ラットにD-リモネンを与えたところ「うつっぽさ」が軽減し、空間記憶や学習能力が顕著に改善しました。脳内では、神経成長因子BDNFの量が増え、炎症マーカーが低下。心だけでなく記憶への働きかけまで期待できると注目されます。
(DOI:10.1111/ejn.16455)
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-12テルペン/TERPENE最新研究エビデンス集』より
 
 
           
               
               
               
               
               
               
               
               
              