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栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

体内の内分泌系が作るホルモンが私たちの身体を健康な状態に保つ

背中

重要なホルモンの働き

ホルモンは私たちの身体の様々な働きを調整する化学物資です。体内各部にある内分泌腺と呼ばれる器官で合成され、血液の流れに乗って体内を循環し、特定の細胞で効果を発揮します。ホルモンは一種の情報伝達物質で、体内の様々な細胞に届くと決まった機能を発現させ、細胞の働きを調整し、生体の恒常性※を維持して健康な状態を保ちます。

代表的な分泌腺には、視床下部、脳下垂体、甲状腺、副腎、生殖腺などがあり、異なる働きをするホルモンが作られます。膵臓から分泌されるホルモンのインスリンは、糖の吸収を助け血糖値を下げることで知られています。他にも腎臓では血圧を調整するホルモン、脂肪組織では体脂肪を一定に保つホルモンなど、身体の各器官で様々なホルモンが約100種類も作られています。

女性ホルモン

女性ホルモンの代表的な存在が卵巣でつくられる「エストロゲン」です。主な役割は女性らしい体を作り、妊娠・出産に関係しています。閉経前後の女性が経験する更年期障害の様々な症状(火照り、急な発汗、イライラなど)は、エストロゲンの急激な減少によって起きるホルモンバランスの崩れが主な原因です。

男性ホルモン

一方、男性ホルモンの代表格が本書のメインテーマである「テストステロン」です。主に精巣で作られるこのホルモンは文字通り、男性らしさを作り出す役割を担っています。

テストステロンの役割

私たちの性別を決定しているのは染色体です。女性はX染色体が2本、男性はX染色体とY染色体を1本ずつもって生まれてきます。Y染色体をもつ胎児は、ジヒドロテストステロンというホルモンによって男性の生殖器が形成されます。この睾丸とペニスができることを第一次性徴(性分化)と呼びます。

さらに妊娠6~24週目で大量のテストステロンを浴びると、胎児の脳が男性化して、女性の妊娠・出産に関する周期的なホルモン分泌の特徴※2を失います。つまりテストステロンによって男児として生まれてくるのです。生後8週間~6か月の間に男児の体内テストステロンのレベルが高まりますが、体への影響は確認されておらず、脳の男性化をより進めていると考えられます。

その後、思春期になると再び男児のテストステロン・レベルが高まり、濃い体毛やヒゲ、がっしりした体つき、太い声帯、睾丸や陰茎が発達するといった大人の男性の特徴を備えるようになります(第二次性徴)。以降、テストステロン・レベルは、20代をピークに加齢と共にゆるやかに減少していきます(図1)。

テストステロンのス推移

テストステロンは男女ともに健康な身体作りに不可欠

そのほかにもテストステロンは、筋肉量や筋力の増加、骨密度・骨質の増強など重要な役割を果たし、男女ともに健康な体を作り維持するのに不可欠な存在です(表1)。また、テストステロンは脳で記憶をつかさどる海馬に高い濃度で存在しています。早期アルツハイマー病患者の脳内のテストステロン濃度は低下していることから、認知機能との関連も注目されています。

肉体への作用

※1ホメオスタシスともいう。外部環境の変化に対し、生体が体内の状態を一定に保って生命を守り維持すること。

※2 この女性脳からのホルモンによる指令によって、周期的な排卵を起こし、常に新鮮な卵子を準備して妊娠に備える「月経」が始まる。

栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-4 テストステロンの健康力』より

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