コーヒー豆に数多くの成分
コーヒー豆には、たんぱく質、糖質、脂質をはじめ、クロロゲン酸、カフェイン、トリゴネリン、ナイアシン(ビタミンB 3)など数多くの成分が含まれています。このうち、近年とくに注目されているのが「クロロゲン酸」と「カフェイン」です。
クロロゲン酸の作用
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、コーヒーの香りや苦みのもととなる成分。とくに、焙煎する前の生豆に豊富に含まれています。このクロロゲン酸は、病気や老化の原因である「活性酸素」を撃退する、強い抗酸化作用を持っています。
カフェインの効果
覚醒(眠気を覚ます)効果が有名なカフェインですが、集中力を高める効果や、ダイエット効果などがあることがわかっています。カフェインの有効成分は、焙煎しても失われにくいのも嬉しいところです。
コーヒーを飲むと
そして大切なのは、コーヒーには未解明のものも含め数百もの成分が含まれている、ということです。それらをまるごと摂取するのが、「コーヒーを飲む」という行為。一つの成分をサプリメントとして摂取するのではなく、いわば漢方薬のように、複数の成分が総合的に効果を発揮するのです。
未病の改善にも
「病気というほどではないが、ちょっと調子がおかしい」……こうした状態を漢方では「未病」といいます。適量のコーヒーを飲むことは、こうした未病の改善にも役立つのではないかと期待されています。
漢方には「薬食同源」という言葉もあります。毎日の暮らしの中で、気軽にコーヒーを飲むことで、健康を保ち、病気を防ぐことができたら最高ですね。
コーヒーの実のさらなる可能性
熱帯で育つ植物であるコーヒーは、ポリフェノールを豊富に含み、強い紫外線から自らを守るための、抗酸化パワーを秘めています。
飲料としてのコーヒーは、種(コーヒー豆)を使用しますが、コーヒーベリー※と呼ばれるコーヒーの「皮」や「果肉」にも、ブルーベリーの40倍、アサイーの15倍ともいわれる抗酸化力のある成分が多く含まれていることが、近年の研究により判明し、「スーパーフルーツ」として注目を集めています。ドリンクやサプリメントなども開発されているようです。
※コーヒーベリー : 木の上で熟した赤いコーヒーの実をコーヒーチェリーと呼ぶ一方で、果肉と皮には、コーヒーベリーという呼び名もあるようです。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-5 コーヒー豆の健康・美容力』より