GROWTH健康づくり協会代表
竹内久米司 薬学博士
プロスタグランジンが身体を調節するシステムに作用する物質と考えて
私は、脳に関する研究領域のなかで、特に脳神経細胞膜の主要構成成分で不飽和脂肪酸のひとつ、アラキドン酸から精製される強い生理活性物質群のプロスタグランジンという「脂質メディター」の働きに注目していました。
脂質メディターとは、細胞内外の情報伝達をつかさどる生理活性物質で、私たちの身体の調節機能「恒常性」(ホメオスタシス)に働く本質的な物質です。
このプロスタグランジンが身体を調節する根本のシステムに作用する物質と考え、研究を重ねて学位を取得。
プロスタグランジンの作用とエンド・カンナビノイド・システム
1990年にアメリカ国立衛生研究所で、大麻由来のカンナビノイドに反応する受容体が脳内に見つかり、その後、内因性カンナビノイドが発見されたことで、プロスタグランジンの作用を根本からコントロールしているマスターコントロールシステムが、エンド・カンナビノイド・システムであることを知り、驚きました。
特に脳にはカンナビノイドに特化した受容体があり、しかもその数が他のどんな受容体よりも多いことが明らかになっています。
エンド・カンナビノイド・システムに作用するCBD
このエンド・カンナビノイド・システムに作用するCBDは、血液脳関門を容易に通過できることから、てんかんやうつ病、アルツハイマー病のみならず、多くの疾患を根底から改善していく治療薬の開発や疾病予防につながると大きな期待を持っています。
竹内 久米司(たけうち くめじ)
GROWTH健康づくり協会代表
薬学博士
医療用医薬品の研究開発の現場で 38年間、向精神薬、おもにてんかん、躁うつ病、不安症などの脳に関する治療薬の研究開発に従事。脳神経細胞の成長促進物質の探索実験を行っていた際のアクシデントが「経皮毒」の発想につながる。日本薬理学会学術評議会議員を務め、現在はGROWTH健康づくり協会代表として、新領域の「脳科学的栄養学®」を立ち上げ、幅広く活動中。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-29 CBDの秘密』より