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栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

プロテオグリカンの可能性

公益財団法人21あおもり産業総合支援センター
プロジェクトディレクター
阿部 馨 医学博士

阿部馨先生

夢の新素材

プロテオグリカンと聞いて、それが何か、即答できる人はまだ少ないかもしれません。ひと言でいうと、肌の健康やみずみずしさ、関節の機能維持に効果があるヒアルロン酸やコラーゲンを超える第三生体成分がプロテオグリカンです。取り出しが極めて難しい希少な成分だったため、一部の研究者間でしか知られていなかった夢の新素材なのです。

技術開発センターでの研究

プロテオグリカン大量精製の糸口になったのは、私が所属している青森県産業技術センターの前身である青森県技術開発センターでの研究です。同センターの開設当時は、食品の加工廃棄物から有用な物質を探す取り組みを行っていました。イカスミの多糖類、リンゴの多糖類、リンゴ酢の多糖類、ホタテの多糖類など、数々の発見がありました。その際にサケの鼻軟骨にムコ多糖(プロテオグリカンの部分構造)が含まれていることがわかったのです。とはいえ、効率的な取り出し方法はまだ模索状態でした。

安全かつ効率的な抽出に成功

そんな折、先輩である弘前大学の高垣啓一教授(故人)が東北地方の伝統料理、氷頭なますから突破口を考えつきました。酢に漬けたサケの氷頭が柔らかくなるのは、軟骨組織の結合がゆるんだということ……とするならば、酢の中にプロテオグリカンが溶け出しているのではと。その着想から開発は一気に進みました。そして安全かつ効率的な抽出に成功し、基礎研究を経て応用へとつながる本格的な研究が一斉に始まったのです。
研究を進める過程で、プロテオグリカンの潜在能力が想像以上に高く、特に、美容や健康面で強力なパワーを持っていることも次々にわかってきました。

市場性の高い商材

アンチエイジングや健康な身体の維持は、万人の願いです。プロテオグリカンはそうした身近な分野に大きな効果が期待できるため、広く一般が受け入れやすい市場性の高い商材ということで注目しました。
商品化にこぎつけられたのは、大学の研究者が地味な基礎研究を地道にすすめてきたということが大きいですね。プロテオグリカンは大学と県と企業が組むという、産学官の恊働の結晶なのです。現在、美容分野ではクリームや基礎化粧品、中高年にとって悩みの種である関節痛などに効くサプリメントなどが多数出ており、多くの好評を得ています。

プロテオグリカンの今後

プロテオグリカンの今後については、バイオ医薬分野での可能性に大きな期待を抱いています。動物実験では病気にも効いていますし、生活習慣病に効くというデータがいっぱい集まっており、手応えも感じています。

そもそもの病気の始まりには、炎症を伴います。身体に負荷がかかると活性酸素が発生しますが、生体防御反応のワクを越えて大量発生し、細胞を傷つけた状況が病気。糖尿病や肥満、リウマチ、がんもそうです。それらに対する効果がはっきりと出ています。たとえば、浸水した船から水をかき出すのがこれまでの疾病への対応とすれば、浸水している船体の穴を狭めていくような直接的な効果がプロテオグリカンにはあるのです。
近い将来、経口摂取するプロテオグリカン医薬の創薬を目指して実際に挑戦中です。本書で、プロテオグリカンの備える奇跡の力をぜひ感じてください。

赤ちゃん

阿部 馨(あべ かおる)

医学博士
公益財団法人21あおもり産業総合支援センター プロジェクトディレクター

1984年、弘前大学理学研究科修士課程(生物学専攻)修了(理学修士)後、同大医学部薬理学教室助手。1989年青森県産業技術開発センター技師。青森県工業技術センター弘前地域技術研究所研究管理員、弘前大学医学研究科(生理系専攻)修了(医学博士)を経て、青森県産業技術センター弘前地域研究所部長(技術普及部)、地方独立行政法人青森県産業技術センター部長総括研究管理員部長事務取扱(バイオテクノロジー部)を歴任。プロテオグリカン研究や商品化・ビジネス化に注力。

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-4 プロテオグリカンの秘密 Ver.2』より

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