
活性酸素とは
酸素は私たちにとってなくてはならないものですが、体内に入って活発に働きすぎる酸素は「活性酸素」といい、細胞を傷つけ老化を早めます。
活性酸素は加齢、ホルモン分泌低下、紫外線、喫煙、大気汚染、化学物質などのストレスを受けた細胞から発生しますが、それだけでなく細胞がエネルギーをつくり出すときにも細胞内で発生します。
活性酸素を除去するSOD
しかし同時に、活性酸素を除去するSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という抗酸化酵素も生成し、活性酸素を無毒化しています。
30代半ばからSODの分泌は急激に減少
ところが内因性の要因だけでも30代半ばからSODの分泌は急激に減少します。すると除去しきれなくなった活性酸素が、細胞膜やミトコンドリア、遺伝子情報であるDNAなど細胞自体を傷つけるようになります。
それによって細胞間のやりとりをする命令因子などの分泌も低下し、さらにSODの生成能力が低下して細胞の活性がどんどん落ちてしまうという悪循環(老化スパイラル)に入り込みます。細胞の活性が低下することで代謝も悪くなり、息切れ、疲労感、シミ、くすみなどの老化現象が進んできます。
ヒト幹細胞培養液に含まれる抗酸化酵素
これを防ぐには、細胞を守る、細胞を修復する、細胞の産生を高めるといった、細胞に働きかけるエイジングケアが必要です。
表皮のターンオーバーを促す成長因子EGFやコラーゲンの生成を促進する成長因子FGFも有効ですが、ヒト幹細胞培養液の酸化を防ぐ効果はさらに秀逸です。ヒト幹細胞培養液にはSODをはじめ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの抗酸化酵素が含まれ、細胞の抗酸化システムを促進し、さまざまな活性酸素ストレスに対応できることがわかっています。
■ヒト幹細胞培養液の活性酸素に対する防御作用
ヒト幹細胞培養液に含まれるエクソソームを添加したケラチノサイトと無添加のケラチノサイトに、過酸化⽔素(活性酸素)を加え、細胞が死滅した数を⽐較しました。写真上の緑に染まった部分が、死んだ細胞です。エクソソーム無添加の写真は、緑⾊の個所が増えています。


時間経過とともに、両⽅のケラチノサイトの緑⾊部分の⾯積を⽐較したのが上グラフです。エクソソーム添加のケラチノサイト(グラフのピンク線)では、無添加のケラチノサイト(グラフのグレー線)と⽐較して、細胞⾃体が本来持っている抗酸化システムが活性化され、持続的に細胞死滅を防いでいることがわかります。
ヒト幹細胞培養液は、単なる化学的な酸化消去ではなく、細胞自体が本来持っている抗酸化システムを活性化します。肌細胞の酸化ストレスを緩和しUV刺激や環境的ストレスによる細胞死滅を抑制する効果が期待されています。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-25 ヒト幹細胞培養液の美容力』より

