
免疫細胞の働きを支える栄養
免疫の力を発揮するには、免疫細胞そのものが元気であることが大切です。免疫細胞には、マクロファージのほかにもNK細胞やヘルパーT細胞など多様な種類が存在します。免疫細胞の健康を維持するには、日頃から多様な栄養成分をバランスよく摂取することが大切です。
多様な免疫サポート成分
免疫サポート成分には、ヒトの免疫にとって重要な成分という意味を込めて「免疫ビタミン」と呼ばれるLPSをはじめ、乳酸菌由来のペプチドグリカン、キノコに含まれるβグルカン、海藻由来フコイダン、アラビノガラクタン(食物繊維の一種)など、多様な天然由来成分があります。これらはそれぞれ異なる受容体※を介してマクロファージをはじめとする自然免疫細胞に作用し、免疫応答のパターンや強さが異なるという特徴を持っています(図1)。
■ 免疫ビタミンLPSと免疫サポート成分の働き(図1)

LPSが持つ高いマクロファージ活性化作用
なかでもLPSは、他の免疫サポート成分に比べてマクロファージ活性化作用が非常に高く、実験条件下ではβグルカンやペプチドグリカンと比較して1,000~10,000倍に達することが報告されています。つまりLPSは、“免疫の司令塔”ともいえるマクロファージに直接働きかける作用が、特に高い成分といえます。
免疫サポート成分の新たな可能性
近年、これら複数の免疫サポート成分を組み合わせることで、マクロファージの活性化状態(M1/M2バランス)や樹状細胞、NK細胞への波及効果、腸内環境および全身免疫ネットワークへの影響など体系的な解析研究が進められています。一方で、免疫サポート成分の最適な組み合わせや相互作用に関する検討も進みつつあり、個人差(体質)を考慮した免疫調節への応用可能性が示唆されています(図2)。
■ マクロファージを活性化する免疫サポート成分(図2)
マクロファージには複数の受容体があり、自然由来の免疫サポート成分は、それぞれ異なる受容体を介して働きかけます。こうした多様な経路によって自然免疫が支えられていることが、近年の研究から明らかになってきています。

※ TLR4、TLR2、Mincle、Dectin-1、SR 受容体、腸管免疫系など
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-14 自然治癒力と腸』より





