よくわかる健康サイエンス-5 美肌菌きれい研究ブック
■栄養書庫編集部/著
■出来尾 格 医学博士 東京慈恵会医科大学 皮膚科講師/インタービュー
■A5変形 オールカラー44ページ
■価格 1,100円(税込)
■発行日 2023年5月27日
■よくわかる健康サイエンスシリーズ
美肌菌は皮膚常在菌のひとつ
私たちの肌には20種類ほどの常在菌が存在しており、代表的なものに「表皮ブドウ球菌」「アクネ菌」「黄色ブドウ球菌」などがあります。腸内細菌が善玉菌・日和見菌・悪玉菌に分類されるように、皮膚常在菌もその役割により分けることができます。
ニキビの原因菌として知られるアクネ菌は、普段は肌を弱酸性に保つ役目するため日和見菌といえます。黄色ブドウ球菌は肌がアルカリ性に傾くと増殖をはじめ炎症などを引き起こすため悪玉菌と考えられます。
表皮ブドウ球菌は汗や皮脂をエサにしてグリセリンや脂肪酸を作り出します。グリセリンは肌のうるおいを保ち、脂肪酸は肌を弱酸性に保って抗菌ペプチドを作り出し、アクネ菌や黄色ブドウ球菌の増殖を防いでくれます。
このような働きから表皮ブドウ球菌は、肌を健康に保ち美肌に導く善玉菌と考えられ、出来尾 格博士により「美肌菌」と名付けられました。美肌菌が増えると肌のバリア機能が強化されるため、肌のうるおいが守られ、キメが整い、肌トラブルが少なくなります。ところが、美肌菌は角質の表面に棲んでいるため、洗顔のし過ぎや化粧品に含まれるアルコールのせいで減少してしまいます。
このように日頃行っているスキンケアが、美肌菌のためによくない場合があることもわかってきました。さらに自分の美肌菌を直接肌に戻す「美肌菌戻し法」も研究され、実用化しています。
当書では、美肌菌とはなにか?美肌菌を増やすためにできることは?など、美肌菌の最新研究結果を元に、美肌のメカニズムから美肌菌の働き、美肌菌を増やすスキンケアまでを明らかにしていきます。